著者
石井 カルロス 寿憲 石黒 浩 萩田 紀博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.178, pp.1-6, 2006-07-14
参考文献数
14
被引用文献数
1

「りきみ」(喉頭をりきんだ際に生じる声質)は,声帯の振動パターンに関連する声質の一種類である.りきみは,話者の感情や態度などのパラ言語情報をもたらすため,対話システムなどにおいて,りきみの自動検出を考慮することは重要と考えられる.本稿では,りきみの自動検出を目的とし,りきみの生成と知覚を考慮し,さまざまな音響特徴の分析を行った.自然対話より抽出したりきみ区間を分析した結果,まず周期性の不規則な特徴以外にも,りきみの知覚に影響する要因が存在することが分かった.喉頭のテンションに関連するスペクトル傾斜を表現したパラメータによる識別を試みた結果,りきみ発話の一部は表現できた.しかし,スペクトル解析により,鼻音化した母音とダブル・ビートの声帯音源が生じた場合に,スペクトル傾斜のパラメータが不適切であることを明らかにした.時間軸での分析を行った結果,非りきみのフライ発話では,diplophoniaが多く生じ,りきみ発話では,生じない傾向が観られた.この結果を基に,りきみの生成過程における議論を行った.

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@Bearia   りきみの自動検出のための音響分析(音声・聴覚,一般)http://t.co/k3EFt1Eo5Q

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