著者
塩見 昌裕 中田 彩 神原 誠之 萩田 紀博
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

自己開示は,人が他者との関係性を構築するために重要な意味を持つ.本研究では,人とロボットが身体的な接触を行うことで,人々がロボットに行う自己開示をより促すことができるかどうかを明らかにすることを目的とし,半遠隔操作型のロボットが人との身体的接触を行いながら自己開示を促す実験を行った.実験の結果,ロボットからの身体的接触が人々の自己開示をより促す傾向が見られた.
著者
志和 敏之 神田 崇行 今井 倫太 石黒 浩 萩田 紀博 安西 祐一郎
出版者
一般社団法人 日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.87-95, 2009 (Released:2011-11-15)
参考文献数
17
被引用文献数
1 6

This paper reports a study about system response time (SRT) in communication robots that utilize human-like social features, such as anthropomorphic appearance and conversation in natural language. Our research purpose established a design guideline for SRT in communication robots. The first experiment observed user preferences toward different SRTs in interaction with a robot. In other existing user interfaces, faster response is usually preferred. In contrast, our experimental result indicated that user preference for SRT in a communication robot is highest at one second, and user preference ratings level off at two seconds. However, a robot cannot always respond in such a short time as one or two seconds. Thus, the important question is “What should a robot do if it cannot respond quickly enough?” The second experiment tested the effectiveness of a conversational filler: behavior to notify listeners that the robot is going to respond. We used the same strategy in a communication robot to shadow system response time. Our results indicated that using a conversational filler by the robot moderated the user's impression toward a long SRT. Put it all together, we obtained a) users'; impressions toward the robot are unchanged until one second SRT, b) the robot should react within two seconds SRT, and c) use of conversational fillers are effective to let the users to wait from these two experiments.
著者
萩田 紀博
出版者
総務省情報通信政策研究所
雑誌
情報通信政策研究 (ISSN:24336254)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.61-74, 2022-12-22 (Released:2022-12-28)
参考文献数
19

2050年までに身体・脳・空間・時間の制約から解放された社会を実現するムーンショット目標1の研究開発が進められている。少子高齢化による労働生産性を向上するためや、災害などに強靭な生産性の維持、非効率ではあるが、安全・安心でゆとりのある生活が可能な未来社会を実現するために、実空間と仮想空間の両方をうまく使いこなすことができるサイバネティック・アバター(CA)と呼ぶアバターやロボットを研究開発する。仮想空間のCGアバターだけではなく、実空間のロボットやアバターのCAを遠隔操作することよって、人が身体的・認知・知覚能力を拡張・強化する。現在、一人の遠隔操作者が1体のロボットやアバターを動かすことが主流であるが、ムーンショット目標1では、遠隔操作者一人で複数体のCAを動かすことや、複数人の遠隔操作者で1体のCAを動かすことに着目する。このCAによる人間の能力拡張や強化が社会に受け入れられれば、誰もが社会活動に参画できるようになり、多様性を尊重するインクルーシブな社会の実現と経済の活性化に貢献できる。そのために、能力拡張・強化によって生まれる新たな格差を解消する技術課題や倫理、法制度などに関する制度課題も解決していく必要がある。複数体のCAを遠隔操作するためのコア技術の開発だけでなく、それが生体に及ぼす影響などの利用者の立場に立った研究開発も重要になる。セキュリティ対策では、CAのなりすまし・乗っ取り・技能模倣などに対処していける安全・安心を確保するための研究開発・制度課題がある。遠隔操作で、ジッタ(信号の時間的ずれや揺らぎ)や通信遅延・不通が起きた場合でも信頼性を確保するための研究開発・制度課題もある。メタバースの動向を見ても、一人1体のアバターを操作することが主流であるが、仮想空間に対して、まだ合意されたメタバースの定義はなく、現実的には、ヘッドマウントディスプレイを被る場合のメリットとデメリット(不快感や酔いなど)との妥協点が明確になっていないために、標準化の方向性が決まっていない。CAの開発でも、社会的、政治的、組織的な要因を考慮して、国際的な社会合意システムを形成し、多くの潜在利用者に事前に体験して制度的課題を解決していく「場」の形成が必要である。このような点を踏まえて、本解説では、ムーンショット目標1で開発中のCAにおける実・仮想空間CA基盤を概説し、将来の仮想空間の役割について議論する。
著者
石井 カルロス寿憲 榊原 健一 石黒 浩 萩田 紀博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム = The IEICE transactions on information and systems (Japanese edition) (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.89, no.12, pp.2679-2687, 2006-12-01
参考文献数
20

Vocal fry(フライ)は,声帯振動の様式に起因する声質の一種であり,気分的にテンションが低くリラックスしている場合や,強い感情や態度の表現の際に喉頭を力んだ場合に生じ,バラ言語や非言語情報を伝達する役割をもっている.本論文は,音声信号からフライ区間を自動的に検出することを目的としている.フライは通常発声よりも低い基本周波数の範囲で生じやすい.ゆえに,典型的な固定フレーム長の短時間処理が問題となるが,その解決策として,本論文では声帯パルスに同期した手法を提案した.具体的には,フライの声帯パルスのインパルス的な特性とダンピング特性を考慮し,超短時間処理で求めたパワー軌道から声帯パルスの候補となるパワーピークを検出する.検出されたパワーピークにおいて,周期性とパルス間類似度を用いて,フライであるか,それともインパルス的な雑音であるかを判定する.評価実験として,パワーピーク検出・周期性・パルス間類似度に関連するしきい値パラメータを様々な条件で分析した.その結果,73%の高い検出率と4%の低い挿入誤り率により,自動的にフライ区間が検出可能であることが示された.
著者
劉 超然 石井 カルロス寿憲 石黒 浩 萩田 紀博
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.112-121, 2013 (Released:2013-01-17)
参考文献数
12
被引用文献数
1

A suitable control of head motion in robots synchronized with its utterances is important for having a smooth human-robot interaction. Based on rules inferred from analyses of the relationship between head motion and dialog acts, this paper proposes a model for generating head tilting and evaluates the model using different types of humanoid robots. Analysis of subjective scores showed that the proposed model can generate head motion with increased naturalness compared to nodding only or directly mapping people's original motions without gaze information. We also evaluate the proposed model in a real human-robot interaction, by conducting an experiment in which participants act as visitors to an information desk attended by robots. The effects of gazing control were also taken into account when mapping the original motion to the robot. Evaluation results indicated that the proposed model performs equally to directly mapping people's original motion with gaze information, in terms of perceived naturalness
著者
橋塚和典 神原誠之 萩田紀博
雑誌
研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.25, pp.1-6, 2014-01-16

拡張現実感 (AR) は,現実物体へ直観的な情報提示が可能であることから,作業習得のための教示への応用が期待されている.本研究では,単純な作業の繰り返しであるルービックキューブの解法の習得を目的とした AR を利用した教示システムを提案する.本稿では,作業中の手などの隠蔽に対して,ルービックキューブの形状と色情報を利用した物体の追跡による頑健なルービックキューブの位置姿勢の実時間推定手法,および,推定した結果を用いた,ユーザに解法を記憶し理解させること目的とした情報提示法を提案した.実験では,手による隠蔽が発生した画像での位置姿勢推定実験を行うと共に,実際にルービックキューブを解く教示実験を行い提案手法の有効性を示す.
著者
澤木 美奈子 村瀬 洋 萩田 紀博 石井 健一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1997, 1997-08-13

校正や添削の記号が記入された文書や、線や記号が重なり合う譜面など、複数の情報が重畳した文書が多い。 これらの認識を行う場合、従来はある情報に着目し、他の情報を雑音として削除した後に認識処理がなされていた。しかし、多くの場合、着目した情報以外を各情報に関する知識なしに総て削除することは困難であり、高い認識率が得られなかった。 ここでは、先に提案した補完類似度を用いて、複数の情報ごとに照合を行うことにより、正しく認識できることを示す。補完類似度は、ノイズにロバストであるという性質があるため、複数の情報が重畳していても、着目した対象以外を削除せずにそれらをノイズとみなすことにより、着目対象を正しく認識することができる。そのため、複数の情報を独立に扱え、複数の情報間での影響に関する知識を持つ必要がない。 本稿では、例として、文字と記号が重畳している尺八譜の認識を対象として取り上げる。
著者
澤木 美奈子 村瀬 洋 萩田 紀博 石井 健一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.81, no.10, pp.2480-2482, 1998-10-25

文字や記号などの複数の情報が重畳して記述されている尺八譜を認識する手法について述べる.補完類似度を用いることにより, 複数の情報を独立に扱うことが可能となり, 高い認識率が得られることを示す.
著者
桑原教彰 野間 春生 鉄谷信二 萩田 紀博 小暮 潔 伊関 洋
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.44, no.11, pp.2638-2648, 2003-11-15
被引用文献数
15 17

医療事故に結び付く可能性のある看護業務の作業環境を改善していくことが求められている.医療事故の原因分析には,事故に関係した医療従事者の行動履歴の情報が重要である.本論文は,看護行為を妨げないウエアラブルセンサにより,看護師の1日の行動を自動計測して,看護履歴を作成するために必要なデータを自動的に収集する手法を提案する.まず看護行動の自動計測方法の基本方針を述べる.次にこの方針に基づいて,音声入力,歩数,姿勢の傾斜角,に着目したウエアラブルセンサを試作し,実際の医療現場で本手法の有効性を示す.具体的には,歩数,上半身の傾斜角だけから日常的に頻繁に実施される看護業務がいくつかに大きく分類できることを示し,その結果と音声認識を組み合わせることで,実際の医療現場で収集したサンプルデータに対して,音声認識単独の場合より高い識別率で看護業務を識別できたこと,および,記録されたデータを看護師の実際の看護記録と比較して,この自動計測法では従来の看護記録には記録されない予定外の行動を含む履歴が残されたことを示す.In order to improve the quality of medical service, we propose a method for auto-event-recording of nursing operations with little disturbance of their moves. We've developed the wearable sensors to allow recording the type of job units by recognizing their voices, the number of foot steps and their physical postures. Several experiments are made by using these sensors at a hospital. Experimental results show that we can categorize the nursing jobs most frequently operated by the nurses, by analyzing data of their foot steps and physical postures. Then, by utilizing this result with the speech recognition, the nursing record is reconstructed, better than that by using only the speech recognition. Finally, by comparing the reconstructed nursing records with the actual ones, we show that our sensors can record the nurse's jobs that are missed on the actual nursing records.
著者
木本 充彦 飯尾 尊優 塩見 昌裕 タネヴ イヴァン 下原 勝憲 萩田 紀博
出版者
一般社団法人 日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.35, no.9, pp.681-692, 2017 (Released:2017-12-15)
参考文献数
24
被引用文献数
2 1

This paper proposes a multimodal interactive approach to improving recognition performance of objects a person indicates to a robot. We considered two phenomena in human-human and human-robot interaction to design the approach: alignment and alignment inhibition. Alignment is a phenomenon that people tend to use the same words or gestures as their interlocutor uses; alignment inhibition is an opposite phenomenon, which people tend to decrease the amount of information in their words and gestures when their interlocutor uses excess information. Based on the phenomena, we designed robotic behavior policies that a robot should use enough information without being excessive to identify objects so that people would use similar information with the robot to refer to those objects, which would contribute to improve recognition performance. To verify our design, we developed a robotic system to recognize the objects to which people referred and conducted an experiment in which we manipulated the redundancy of information used in the confirmation behavior. The results showed that proposed approach improved recognition performance of objects to which referred by people.
著者
宮下 敬宏 堀川 優紀子 萩田 紀博 K. Narayanan Vishnu 小泉 智史 亀井 剛次
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.1P2-D09, 2018

<p>Development for safety autonomous mobility navigation system that deal with low speed vehicles, such as wheel chair, guidance robot and transportation robot is introduced. Our R&D policy based on Ethical, Legal, Social and Economic issues for the mobility system is also introduced.</p>
著者
塩見 昌裕 中田 彩 神原 誠之 萩田 紀博
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第31回全国大会(2017)
巻号頁・発行日
pp.2N22, 2017 (Released:2018-07-30)

自己開示は,人が他者との関係性を構築するために重要な意味を持つ.本研究では,人とロボットが身体的な接触を行うことで,人々がロボットに行う自己開示をより促すことができるかどうかを明らかにすることを目的とし,半遠隔操作型のロボットが人との身体的接触を行いながら自己開示を促す実験を行った.実験の結果,ロボットからの身体的接触が人々の自己開示をより促す傾向が見られた.
著者
吉川 雄一郎 篠沢 一彦 石黒 浩 萩田 紀博 宮本 孝典
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.1284-1293, 2007-03-15
参考文献数
16
被引用文献数
5

人間同士のコミュニケーションにおいて,視線は意図の伝達や会話の調節など,重要な役割を持つことが知られている.人間と対面するロボットやスクリーンエージェントの従来研究においても,それらの視線をどのように構成するかに注目が集まっているが,相手の視線の動きを考慮した枠組みの研究は少ない.しかし,相手の視線が自分の視線に対してどのように変化しているかを見ることは,人間が相手の視線を認識するうえで重要な手がかりになっていると考えられる.そこで本研究では,対面相手の視線に基づいて自身の視線を動かすことのできるロボットを構築し,応答的視線によってより強い被注視感を相手にいだかせることができることを示す.In face-to-face communication, eyes play a central role, for example in directing attention and regulating turn-taking. For this reason, it has been a central topic in several fields of interaction study. Although many psychology findings have encouraged previous work in both human-computer and human-robot interaction studies, so far there have been few explorations on how to move the agent's eye, including when to move it, for communication. Therefore, it is this topic we address in this study. The impression a person forms from an interaction is strongly influenced by the degree to which their partner's gaze direction correlates with their own. In this paper, we propose methods of controlling a robot's gaze responsively to its partner's gaze and confirm the effect of this on the feeling of being looked at, which is considered to be the basis of conveying impressions using gaze in face-to-face interaction experiments.
著者
山岡 史享 神田 崇行 石黒 浩 萩田 紀博
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.11, pp.3577-3587, 2007-11-15

最近,遠隔操作型のコミュニケーションロボットが用いられ始めてきた.本研究のねらいは,このような遠隔操作型のロボットと人が相互作用する際,人はロボット自身と相互作用しているように感じるのか,それとも背後の人と相互作用していると感じるのか,またそのような感じ方の違いは,相互作用にどのような影響を与えるのだろうか,ということを検証することである.そこで本研究では,ロボットはプログラムによって自律的に動いていると被験者に教示する条件と,ロボットは操作者によって遠隔操作されていると被験者に教示する条件の2 つの実験条件を設定し,2 つの条件間における被験者のロボットに対する印象の差異を検証した.実験では,被験者は人型ロボットと,アイコンタクトや接触行動などお互いの身体を使った相互作用を行い,そのときのロボットの印象を評価した.実験の結果として,2/3 の被験者は,ロボット自身と相互作用していると感じており,彼らの感じた楽しさは,ロボットが操作されているのかどうかといった事前知識には影響されていなかった.また,残りの1/3 の被験者はロボットの背後の人と相互作用しているように感じており,彼らの相互作用は事前知識に影響されていた.ロボット自身ではなく,背後の人間と相互作用していると感じていた被験者は,自律型ロボットと相互作用すると教示された場合には,より相互作用が楽しいと感じ,相互作用時間も増えていた.一方で,操作型ロボットと相互作用すると教示された場合は,よりつまらないと感じ,相互作用時間も減少していた.
著者
木本 充彦 飯尾 尊優 塩見 昌裕 タネヴ イヴァン 下原 勝憲 萩田 紀博
出版者
一般社団法人 日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.36, no.6, pp.441-452, 2018 (Released:2018-08-15)
参考文献数
28
被引用文献数
1

The recognition of indicated objects by interacting people is an essential function for robots that act in daily environments. However, due to ambiguous references by them, accurate recognition of indicated objects have difficulties for the robots. For example, people sometimes use the words which did not contain in the robots' databases, or they did not use enough words to identify the object. Therefore, to improve recognition accuracy, we must decrease such ambiguity of indicating behaviors of people. For this purpose, we experimentally compared two kinds of interaction strategies to decrease the ambiguity: explicitly providing requests to people about how to refer to objects, or implicitly aligning with people's indicating behaviors. The experimental results showed that participants evaluated the implicit strategy to be more natural than the explicit strategy, and the recognition performances of the two strategies were not significantly different.
著者
南谷 晴之 萩田 紀博
出版者
一般社団法人 日本生体医工学会
雑誌
医用電子と生体工学 (ISSN:00213292)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.256-263, 1980-08-30 (Released:2011-03-09)
参考文献数
31

In this study, a neural network model is proposed to obtain -the numerical description of pain mechanisms. The model simulates peripheral receptors, afferent L- and S-fibers and the receptive cells of the spinal cord area Adaptation effect and conduction velocity of each fiber are considered in the model. The activities of peripheral and spinal cord neural cells are represented by the Wilson-Cowan's differential equation, considering the ongoing activity of neurons. Pain and touch sensibilities are estimated by the firing activities of lamina V (Transmission, T) cells and lamina IV cells, respectively.The results of model simulation have been obtained for single square-wave pulse and periodic pulse sequences applied on peripheral receptors. The duration of initial bursts of T and IV cells, which occur soon after the beginning of stimulation, depends on the stimulus intensity and approaches a plateau with increasing intensity. In case the stimulus intensity is increased above the threshold of S-fibers, secondary burst of T cells appears about 50 msec after the stimulation, which is equivalent to the conduction time of S-fibers from the periphery towards the spinal cord cells. High-frequency and high-intensity stimulation gives the typical firing patterns of pain modality, represented by the high secondary burst of T cells which continues during the stimulation. From the results of periodic pulse stimulation, the so-called pain and absolute threshold characteristics have been obtained and have been compared with the results of cutaneous electrical stimulation. Both results are shown by quite a similar relationship between stimulus pulse frequency and stimulus intensity and their characteristics are given by the power function's law of frequency and intensity.The proposed neural network model mimics the pain modality very well, and the results of simulation are in good agreement with some of physiological and experimental results.
著者
中川 佳弥子 塩見 昌裕 篠沢 一彦 松村 礼央 石黒 浩 萩田 紀博
出版者
ヒューマンインタフェース学会
雑誌
ヒューマンインタフェース学会論文誌 (ISSN:13447262)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.31-40, 2011-02-25 (Released:2019-09-04)
参考文献数
42

The paper presents a persuasion effect of a robot's whispering behavior that consists of a whispering gesture and small voice. Whispering behavior naturally provides physical proximity and the context of confidential talks that increase intimacy with each other. We have conducted a between-subject experiment to investigate the persuasion effects of whispering gesture and small voice. In the experiment, a robot requested an annoying task, which is a writing as many multiplication table equations as possible. The result shows that whispering gesture significantly increased the number of equations and writing time, meanwhile, small voice had no effect for them. The reason might be that we used simply small voice (voiced speech) not but breathed speech. We believe that whispering behavior is useful for various services that require persuasion effects, such as advertisements, sales promotions, encouragement to study and so on.
著者
垣尾 政之 宮下 敬宏 光永 法明 石黒 浩 萩田 紀博
出版者
The Robotics Society of Japan
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.26, no.6, pp.485-492, 2008-09-15 (Released:2010-08-25)
参考文献数
17
被引用文献数
1 2

Humans always sway their body when they are standing. Since the swaying is natural for human, they are not conscious of the swaying. However, today, almost all robots are designed to reduce the swaying to ensure stabilities. If communication robots can control the swaying appropriately, it might help humans to anthropomorphize the robot. In this paper, we evaluate how the swaying of a humanoid robot affects human swaying and their impressions. We measured human and robot's neck movement and asked them to answer a questionnaire after the experiments. We discovered that human swaying and impressions were affected by the robot's swaying. Human swaying is always observed whenever communications are performed. In order to apply the swaying to humanoid robots, we only use wheel control. Additionally, we can make the robot's swaying and do other actions on their upper bodies. So the result of this paper will explain how to make robots' swaying.
著者
中川 佳弥子 塩見 昌裕 篠沢 一彦 松村 礼央 石黒 浩 萩田 紀博
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.J95-A, no.1, pp.136-145, 2012-01-01

近年,教育や福祉の分野において,ロボットを利用した様々なサービスに関する研究開発が進んでいる.これらの分野において,ユーザとのインタラクションの中で,学校の宿題や,健康のための運動などといった,日々のタスクに対するモチベーションを向上させるようなロボットの働きかけが有用である.接触がロボットの印象にポジティブな効果があることは過去の研究において示されているが,ロボットの能動的接触が行動にどのように影響するかは明らかにされていない.ロボットの能動的接触の効果を調べるために,我々は,非接触/受動的接触/能動的接触の3条件で,ロボットが被験者に退屈なタスクを依頼する実験を行った.実験の結果,能動的接触による依頼を行った場合,他の条件に比べてタスクパフォーマンス(達成量及び継続時間)が有意に向上した.一方で,ロボットへの印象とタスクパフォーマンスに相関は見られなかった.これらの結果より,ロボットの能動的接触がユーザのモチベーションを向上させる可能性が示された.ロボットとの接触を伴うインタラクションが想定される様々なサービスにおいて,本知見はロボットの振舞いのデザインに役立つと我々は考える.
著者
深山 篤 大野 健彦 武川 直樹 澤木 美奈子 萩田 紀博
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.12, pp.3596-3606, 2002-12-15

本論文では,ユーザに伝わる印象を操作するための,擬人化エージェントの視線制御方法を提案する.人の視線と印象に関する従来研究をもとに印象伝達に関連する3種類の視線パラメータを選び,その値に従ってエージェントの視線を出力する視線移動モデルを構築した.これを実際にエージェントに組み込んで主観評価実験を行った結果から,本視線制御方法を用いることによってエージェントの視線のみからユーザが受ける印象を操作できることを示す.