著者
吉田 圭一郎 飯島 慈裕 岡 秀一
出版者
首都大学東京小笠原研究委員会
雑誌
小笠原研究年報 (ISSN:03879844)
巻号頁・発行日
no.29, pp.1-6, 2005

植生や生態系に関する研究に比べ、小笠原諸島における気象観測研究は少ない。本稿では小笠原諸島を対象とした気象観測やデータ解析の研究成果をレビューし、今後の課題について述べた。小笠原諸島は水文気候学的に乾燥域と湿潤域の境界に位置していた。近年は気候の乾燥化が顕著であり、その植生に対する影響が危惧されている。島嶼スケールを対象とした気象観測研究では、水平分布と比べて、気候の鉛直分布に関するものはほとんど行われていない。今後は雲霧帯のような植生分布に影響する気候の鉛直分布を詳細に観測していく必要がある。

言及状況

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