- 著者
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登坂紘介
松原 仁
- 出版者
- 一般社団法人情報処理学会
- 雑誌
- 情報処理学会研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:09196072)
- 巻号頁・発行日
- vol.2006, no.70, pp.9-16, 2006-06-30
- 被引用文献数
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本研究ではトップクラス棋士である羽生善治氏と他のプロ棋士とを棋譜を元に比較することにより、客観的な棋風の差異を見つけることを試みた。使用するデータは日本将棋連盟より発売されている「将棋年鑑」、「羽生善治実戦集」から約4000局のデータを抽出した。今回の研究では定跡や一般的に評価されているその人の棋風といったものは一切知識として含まず、実際に羽生氏がどのような手を実戦で指したかの統計を取り、他の棋士と統計学上どれほど信頼できる差がどのような項目にあるのかについて調べた。その結果、いくつかの興味深い知見が得られた。例えば、羽生氏は龍の使用頻度が他の棋士に比べて多い、などである。In this paper, we have investigated objective differences of playing style of Shogi by comparing Mr. Habu Yoshiharu`s game records with other players` game records. The data are 4000 games extracted from "Shogi Nenkan" and "Habu Yoshiharu Jissensyu". In our comparison, we don`t use any Shogi knowledge or any players` characteristics. We have got several interesting results. For example,mr.Habu plays more Ryu moves than other players.