著者
田中 浩也
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.39, pp.53-59, 2006-05-04

「自分が住んでいる場所・地域をどのように認知・理解・経験しているか」という命題(Environmental Knowing)は,建築~都市~認知科学~環境心理学にまたがる領域で,過去からさまざまな学術的蓄積がなされてきたものである.とりわけ「大都市」を対象とする場合,その命題は極度に複雑となるが,ケヴイン・リンチの「都市のイメージ」やジル・ドウボールの「心理地理学」をはじめとして,さまざまな先端的思考や実験/実践の宝庫であったとも言える.筆者はこれまで,コンピュータ技術を駆使して「観測/採取/記録/共有装置を作る」という方法によって この分野に対する新たなアプローチを提案してきた.科学の発展には,新しい実験装置の発明と製作という工学的側面が欠かせないものであるが,情報技術を「実験用器具/装置として利用・改良・転用・再構成する」という,ブリコラージュ的な試行を現在も繰り返している.実験器具から得られたデータを,最終的には地図として視覚化することで「科学」の俎上に載せたいと考えているが,このような研究ではまた,芸術的な作品・論考から示唆を得ることも多い.なにしろ,筆者が科学したい対象は「都市」ではなく「都市の経験」であるので,主観と客観が入り混じった第3の方向を試行せざるを得ない今回の発表では,科学と芸術をはじめ,さまざまな分野のボキャブラリー/タームを,敢えて積極的に混ぜ合わせながら,これまでの試みと今後の展望を,中間報告的にまとめてみたい.How do we percept, understand and experience urban spaces in our evelyday lives? My major research interest is such "Environmental Knowing"which has been interdisciplinaly issues among urban planning, architecture, cognitive science and environmental psychology. My approach is to adopt contemporary information technologics,create new types of experimental devices and practice with them day by day. To visualize cllected data and draw a map is a final output of my research method. In this paper, I try to describe my challenges by using several terminologies-adopted from science, engineering, dssign, art, litetature, and computer science. All of them influenced me.

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“CiNii 論文 -  都市の経験を情報科学する : 風景・地形・歩行” http://t.co/tVOvMnrWJ0
わかりやすい都市/わかりにくい都市の差異は「定位」「探索」「移動」の容易性。また先行研究として田中浩也「都市の経験を情報科学する : 風景・地形・歩行」http://ci.nii.ac.jp/naid/110004823090 #GSII_Overview
RT @salmonsnare : 都市の経験を情報科学する : 風景・地形・歩行 [in Japanese], http://ci.nii.ac.jp/naid/110004823090

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