著者
安村 通晃 渡邊 恵太
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.26, pp.109-116, 2008-03-08
参考文献数
28

ビデオゲームの進化の方向性をインタラクションデザインの立場から考察する。近年のビデオゲーム(以下では単にゲームと呼ぶ)は、対象ユーザの拡大、コンテンツの広がりと言う 2 点において、従来のゲームとは明らかに違う様相を呈している。これをここではゲーム 20 と呼び、従来のゲームをゲーム 10 と呼ぶ。従来のゲーム (ゲーム 1.0) とこれからのゲーム (ゲーム 2.0) の各々について、インタラクションデザインとの関係性、つまり、ゲームのインタフェースのコンピュータインタフェースに及ぼすべき影響と逆にコンピュータインタフェースがゲームのインタフェースに与える影響の両者を、具体的な事例に即して論じる。この論点から、ゲームのインタフェースおよびコンピュータのインタフェースのそれぞれの、今後の方向性についても言及する。In this paper, the authors argue on the evolution of video games from the viewpoint of interaction design. Recent video games have unique trends that they have newer user layers and their contents enter a newer domains. These points are quite different from the older games and their contents. Therefore we call the newer games as Game 2.0 and the older ones as Game 1.0. The authors also discuss about the relationship between the game interface and computer interface, and how each of them influences to the other and vice versa.
著者
松原 康夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.134, pp.1-6, 2006-12-16
被引用文献数
3

数独,あるいはナンバープレース,と呼ばれるパズルを多くの人が楽しんでいる。人間がこれを解くときは,=ンピュータが探索するように,あらゆる可能性を試してみるようなことはしない。いくつかの推論規則を考えることができ,それによってあるマス目の数字を確定するのである。この問題には様々なレベルがある。問題の難易度は,数字を確定するために,どれだけ高度な推論規則が必要かによって決まるものと考えられる。本発表では,どのような推論規則が使えるのかを整理して,それによってヒントを与えることを試みる。また,各推論規則を適用することがどれくらい困難であるかによって,難易度を判定することを目指す。Many people are solving suudoku or number place puzzles. A man does not take a method of backtracking, which is taken by computers. Some inference rules can be considered to determine the number of a cell. There are a variety of problems from very easy one to hard one. A problem becomes hard when a high level rule is necessary to solve it. In this presentation, we list up inference rules, and we apply these to give a hint. We intend to decide the hardness of a problem by the hardness of applying the rule.
著者
田中 浩也
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.39, pp.53-59, 2006-05-04

「自分が住んでいる場所・地域をどのように認知・理解・経験しているか」という命題(Environmental Knowing)は,建築~都市~認知科学~環境心理学にまたがる領域で,過去からさまざまな学術的蓄積がなされてきたものである.とりわけ「大都市」を対象とする場合,その命題は極度に複雑となるが,ケヴイン・リンチの「都市のイメージ」やジル・ドウボールの「心理地理学」をはじめとして,さまざまな先端的思考や実験/実践の宝庫であったとも言える.筆者はこれまで,コンピュータ技術を駆使して「観測/採取/記録/共有装置を作る」という方法によって この分野に対する新たなアプローチを提案してきた.科学の発展には,新しい実験装置の発明と製作という工学的側面が欠かせないものであるが,情報技術を「実験用器具/装置として利用・改良・転用・再構成する」という,ブリコラージュ的な試行を現在も繰り返している.実験器具から得られたデータを,最終的には地図として視覚化することで「科学」の俎上に載せたいと考えているが,このような研究ではまた,芸術的な作品・論考から示唆を得ることも多い.なにしろ,筆者が科学したい対象は「都市」ではなく「都市の経験」であるので,主観と客観が入り混じった第3の方向を試行せざるを得ない今回の発表では,科学と芸術をはじめ,さまざまな分野のボキャブラリー/タームを,敢えて積極的に混ぜ合わせながら,これまでの試みと今後の展望を,中間報告的にまとめてみたい.How do we percept, understand and experience urban spaces in our evelyday lives? My major research interest is such "Environmental Knowing"which has been interdisciplinaly issues among urban planning, architecture, cognitive science and environmental psychology. My approach is to adopt contemporary information technologics,create new types of experimental devices and practice with them day by day. To visualize cllected data and draw a map is a final output of my research method. In this paper, I try to describe my challenges by using several terminologies-adopted from science, engineering, dssign, art, litetature, and computer science. All of them influenced me.
著者
三浦 宗介 杉本 雅則
雑誌
情報処理学会研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.59(2005-EC-001), pp.37-42, 2005-06-04

合奏や合唱において,複数の学習者に対し,触覚フィードバックを用いてリズムを伝えることで,他者のパートに惑わされることなく,自分のパートを正しく演奏できるよう支援するシステムT-RHYTHMを提案する.T-RHYTHMは,伴奏者の演奏からテンポを抽出し,それを元にリズムを無線通信で伝える.
著者
藤井 叙人 橋田 光代 片寄 晴弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.26, pp.9-16, 2008-03-07

市販テレビゲームにおいては,CPU の人間らしさというリアリティに,プレイヤの意識が高まりつつある.従来研究では,将棋や仮想空間における CPU の人間らしさの検討はなされているものの,市販テレビゲームのような戦略型ゲームにおいて,人間らしい行動や戦略を AI 技術を用いて実現した例はほとんどない.本稿では,CPU の「人間らしさ」の実現を目標とし,戦略型カードゲームの戦略を自動的に獲得する機構を提案した.戦略学習における困難性として,部分観測に起因した巨大な状態空間が挙げられるが,サンプリング,相手の行動予測,ゲームの特徴を考慮した次元圧縮により克服した.また,戦略学習機構によって得た戦略を,ルールベースの戦略と対戦させ,有効性を評価した.The computer (CPU) like a human has lately attracted considerable attention in the video game. The past studies report strategy-acquisition scheme for the board game such as shogi. However, there are few studies about these scheme applied in the video game. We aim at the acquisition of strategy like a human, we present an automatic strategy-acquisition scheme for strategic card game. Because of this card game includes many unobservable variables in a large state space, we suggest a sampling technique, action predictor, and value function. To evaluate our method, we carried out computer simulations where our agent played against a rule-based agent.
著者
長澤 槙子 渡辺 知恵美 伊藤 貴之 増永良文
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.37, pp.69-76, 2007-05-11

近年MP3プレーヤの流行により,多くの人がたくさんの楽曲を聞く機会が増えてきている.楽曲には様々な音楽的特徴があり,楽器の種類,ハーモニーの変化,コード進行,リズムパターン,モチーフなどが挙げられる.そこで我々は,これらの音楽的特徴と作曲者,年代,ヒットチャートとの関係や,あるユーザの好みの楽曲の音楽的特徴の関係やユーザ同士の好みの楽曲の音楽的特徴の関係といったマイニングを行う.本稿では,以上に述べたことのマイニングを行うために,ポピュラー音楽を対象としたコード進行に着目した楽曲クラスタリングシステムを提案する.コード進行の類似度に関して,我々は音楽理論にて定義されている近親調をもとに定義した.Recently we have more chances to listen to a lot of music due to the spread of MP3 players. There are various features in music, including musical instruments, harmony, chord progression, ryhthm patterns, and motifs. Target of our study is mining of relativity among various features of music and their attributes, such as composers, date of release, ranking of hit charts, and among features of listeners' favorite music. In this paper we propose a music clustering system focusing on the chord progression of popular music for mining of the above relativity. We define similarity of chord progression according to relative keys defined by music theory.
著者
海沼賢 宮下 芳明 西本 一志
雑誌
情報処理学会研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.24(2006-EC-003), pp.113-120, 2006-03-14

本研究では3Dマップ上を自由にウォークスルーしつつ,その地形に触発されて思いついたコメントを書き捨てて行けるシステムを開発し,小説創作における支援を試みた.まずオーサーは自分のイメージする物語の舞台となるマップを作成し,物語構築に協力してもらいたいビジターに配布して,思い思いの「妄想」を書き込んでもらう.オーサーは作品執筆の際,ビジターによって多くのコメントが書き込まれたマップ上を歩き回り,他者の妄想を拾い読みながら自らの発想の糧にしていく.これにより一人の人間による発想の限界を超えた多種多様なアイデアを得ることが可能となり,発想の行き詰まりを打開すると期待される.本稿では,マップをビジターに配布して発想を集めるビジター実験と,それを用いて実際小説の執筆を行うオーサー実験によってシステムの評価を行った.
著者
三武裕玄 長谷川 晶一 小池 康晴 佐藤 誠
雑誌
情報処理学会研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.24(2006-EC-003), pp.9-16, 2006-03-13

人間とバーチャルヒューマンとのインタラクションにおいて、相手の視線はリアリティの向上のために重要な要素である。本研究では、物理シミュレーションベースのバーチャルヒューマンを対象とし、人間らしい自然な眼の動きを与えるため、人間の視覚系を模擬したモデルを構築した。具体的には、物理シミュレータの持つ物体の位置情報をもとに、人間の視覚的注意を模擬した手法によって注視点を決定し、眼球運動の制御モデルによって眼球を動作させた。
著者
大橋裕太郎 横江 宗太 有澤 誠
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.129, pp.19-22, 2008-12-13
被引用文献数
1

私たちは,水族館が持つ映像コンテンツを利用することでエンタテイメン卜性の向上と学習支援を目的としたエデュテイメント環境を構築した.新江ノ島水族館と慶應義塾大学が共同で研究を進めているクラゲラボプロジェクトは,iPod touch を使って水生生物の生態映像を見ることができる映像視聴システムを開発し,2008 年 5 月に新江ノ島水族館利用者に対して実証実験をおこなった.質問紙調査からシステムの主観評価を行ったところ,利用者の水生生物や自然環境への興味が喚起されたことや,システムが観察行動に役立ったことが分かった.We developed edutainment environment that aims to improvement of entertainment and learning assistance, by using aquarium-based movie contents. "Qurage Lab" project, which is promoted by Enoshima Aquarium and Keio University, developed a video system that enables visitors of the aquarium to see valuable video contents of aquatic lives by using ipod touch, and we demonstrated the system on May 2008. The result of the subjective assessment by users of the system showed that users were "intrigued with the aquatic lives", and the system helped the observation.
著者
西本 一志 大月敬史
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.134, pp.49-54, 2006-12-16
参考文献数
8

従来のknow-whoシステムは,専門的知織を持つ人を検索するためのものであった.これに対し,本研究で提案する投機的know-whoシステムとは,「将来専門的知識を有する可能性がある人材」を検索可能とするものである.このような人材の検索に必要なプロファイル情報を猶得するために,「トリピア」を用いる.人気TV番組であった「トリビアの泉」と同様に,トリビアに対して感銘の度合いを「へえ」ボタンで回答していくことにより,楽しみながらプロファイル情報を構築することができる.本稿では,トリビアを用いて収集したプロファイル情報を双対尺度法を応用して処理することにより,前述のような人材を検索することが可能かどうかについて,基本的な検討を行う.The purpose of the ordinary know-who systems was to retrieve experts who have domain knowledge. In contrast, the purpose of a "speculative know-who system," which we propose in this paper, is to make it possible to find people who will acquire domain knowledge in near future. To obtain profile data as bases for retrieving such people, we utilize "trivia." It becomes possible to obtain the profile data by estimating how impressed by trivia while having fun, similar to "The Fountain of Trivia," which was a very popular entertainment TV program in Japan. This paper explores whether we can actually find such people by processing the profile data using the dual-scaling method.
著者
久保田晃弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.39, pp.45-46, 2006-05-04

既存の電子回路を改造することによって、新しい音や独自の楽器を創り出すサーキット・ペンディングは、21世紀のDJカルチャーである。そこにはモダニズムからポストモダンヘという直線史観も、レトロフューチャーな循環史観も通用しない。サーキット・ペンディングがもたらしたのは単なる手法や技術ではなく、ピットやアトム、バイオや量子が混在するヘテロでハイプリットな新世紀に相応しい、新たな文化や価値観の幕開けなのだ。Circuit Bending is based on the DJ culture of the 21st century. Neither a straight line historical view nor the circulation historical view can explain it. It brought the beginning of a new heterogeneous and hybrid culture or sense of values.
著者
尾崎 浩和 富永 浩之 林 敏浩 垂水 浩幸
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.26, pp.1-8, 2008-03-07
被引用文献数
4

応用プログラミング課題として,ボードゲーム戦略を題材とする問題解決型のJava 演習を提案する.五五ゲームの着手メソッドの実装を通して,アイデアの算法による実現,実行結果に基づく試行錯誤的な修正を習得させる.予備戦期間を設け,公開対戦を通して,持続的な戦略修正に取り組ませ,演習過程の活性化を図る.最終大会の総当り対戦の勝敗順位で得点を決め,競争意欲を刺激する.上記の方法による授業実践に向けて,大会運営サーバ WinG-CS を改良した.We propose an applied Java programming exercise by board-game strategy for problem solving learning. During implementation of hand method of Gogo game, students learn realization of idea as algorithm and revision with trial and error by execution result. We found preliminary league by open playing, before final league, which decides students' score by the result of round-robin playing. It keeps students' motivation to revise repeatedly and raises activity of the exercise. We improved the contest server WinG-CS for league management and ranking view to perform the exercise in this year.
著者
福地 健太郎 楠 房子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.37, pp.97-104, 2007-05-11

カプセル自動販売機(通称「ガチャガチャ」)にインタラクティブ性を付与したシステムを開発した.本システムはカプセルに封入された玩具に RFID タグを埋め込み,販売機には RFID センサ及び液晶ディスプレイを組み込むことで,購入した玩具を用いてインタラクティブな遊びを可能にする.提案するシステムを用いて,キャラクタにまつわる物語を提供するアニメーション提示アプリケーションと,複数人による協調プレイを想定した戦闘ゲームの二種類のアプリケーションを製作した.We developed a tangible entertainment system that enables to play video game with physical collectibles as game components. It consists of a capsule toy vending machine with LCD panel, capsule toys with embedded RFID tags,an RFID sensor board and a computer. We developed two applications using the system: an narrative animation application and a battle gamewhich allows collaborative multi-player game.
著者
海沼賢 宮下 芳明 西本 一志
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.24, pp.113-120, 2006-03-14
被引用文献数
1

本研究では3Dマップ上を自由にウォークスルーしつつ,その地形に触発されて思いついたコメントを書き捨てて行けるシステムを開発し,小説創作における支援を試みた.まずオーサーは自分のイメージする物語の舞台となるマップを作成し,物語構築に協力してもらいたいビジターに配布して,思い思いの「妄想」を書き込んでもらう.オーサーは作品執筆の際,ビジターによって多くのコメントが書き込まれたマップ上を歩き回り,他者の妄想を拾い読みながら自らの発想の糧にしていく.これにより一人の人間による発想の限界を超えた多種多様なアイデアを得ることが可能となり,発想の行き詰まりを打開すると期待される.本稿では,マップをビジターに配布して発想を集めるビジター実験と,それを用いて実際小説の執筆を行うオーサー実験によってシステムの評価を行った.We developed a system that the users can walk through a 3D map and can write and leave their whimsical thoughts with basis on its terrain. In this paper, we evaluated its potential as support for writing novels. At the very start, the author creates a 3D map that forms a setting of his story, and distributes it to the people (visitors) whom the author wants to help him. The visitors write their whimsical thoughts freely; the author strolls on the map, browsing the comments, and gets new inspirations from them. In this way, the author collects many ideas that cannot be cooked up by himself, and finally may end a deadlock. To examine how the system actually works as we intended, we conducted two experiments. In the first experiment, we collect whims using the system, and analyzed what types of comments can be collected. In the second experiment, we took five people writing a novel with the system, and observed their activities.
著者
後藤 真孝
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.37, pp.59-66, 2007-05-10

本稿では、音楽音響信号の様々な要素を理解できる技術を応用することで、エンドユーザの音楽の聴き方をどのように豊かにできるかを探求する我々の研究アプローチを紹介する。我々はその研究事例として、7種類の能動的音楽鑑賞インタフェースを実現してきた。能動的音楽鑑賞とは、通常の受動的な鑑賞とは異なり、能動的にインタラクションしながら音楽を鑑賞する方法である。例えば、楽曲構造を見ながら楽曲内で興味のない区間を簡単に飛ばしたり、楽曲中の楽器の音色を変更したり、音楽コレクションをブラウジングして興味のある楽曲やアーティストに出会ったりするためのインタフェースを開発した。これらを通じて、音楽理解技術の重要性とそれが実際にエンドユーザの役に立つことを示す。This paper introduces our research approach aimed at enriching end-users' music listening experiences by applying technologies for understanding musical audio signals. Toward this goal, we have built seven active music listening interfaces. Active music listening is a way of listening to music through active interactions. For example, we have developed interfaces for skipping sections of no interest within a musical piece while viewing a graphical overview of the entire song structure, for changing the timbre of instrument sounds during music playback, and for browsing a large music collection to encounter interesting musical pieces or artists. These interfaces demonstrate the importance of music-understanding technologies and the benefit they offer to end users.
著者
五木 宏
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.62, pp.1-6, 2008-06-28

良質で豊富なシリアスゲームは社会的資産であり,その充実は開発生産性の向上なくしては達成できないシリアスゲームの企画開発における特殊性への対応と,コンテンツ制作環境の変化への対応,および制作ワークロードの軽減が重要な課題であるシリアスゲームの企画のワークフローに内在する隘路を仮定し,これに対応するフレームワークおよび支援ツールについての検討をすることとした.隘路としては次の三点であると仮定した.すなわち,企画作業の体制および方法に関する問題,プロトタイピングの問題,レベルデザインの問題である.これらの問題に対処する具体的な解決策について今後,制作と実験を行ってゆく予定である.The productivity improvements of seriousgame are required to fill the gap between increasing various and good-quality demand and limited supply. There are three main bottlenecks lying on the workflow of seriousgame development, the planning work, the prototyping and the leveldesign. The key factors on defusing the bottlenecks are solutions for the particularity on planning and reduction of workload under the rich-media environment. For the sake of providing the solutions, such as frameworks for planning and productivity tool, a research and experiment are ongoing.
著者
滝澤 勇介 飯田 栄治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.18, pp.65-70, 2007-03-02
参考文献数
7

一般にVJ(VisualJOckey)とは映像を使ったパフォーマンスであり、コンピュータを利用するVJシステムは数多く発表されている。近年、AVJ(AudioVisualJockey)と呼ばれる映像と音声を同時に扱うことの出来るシステムが発表され、AVJパフォーマンスが行われるようになって来た。本研究では既存のシステムとは異なり、人間の声と顔の表情を素材として即座にピデオカメラでコンピュータに取り込むAVJシステムを製作した.本論文ではシステムのコンセプト、構成、操作方法、問題点などを報告する。Generally VJ (Visual Jockey) machine is a system to give people visual effects by pictures and videos in various live events, i.e. rock concert etc. Many VJ systems using a computer have been invented until now. In recent years, AVJ (Audio Visual Jockey) system, the system that could control pictures and sounds, was invented. We propose the system that was different from existing AVJ systems. The most remarkable feature of our system is to have functions recording and playing back voices and facial expressions. We report the concepts, the constitution, the operation methods and same problems in this system.
著者
中野 敦 塩入 健太 星野 准一
雑誌
情報処理学会研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.59(2005-EC-001), pp.61-66, 2005-06-04

近年,CGキャラクタとの対話によってストーリーの進行するコンテンツが数多く見られるようになった.そのためCGキャラクタの表現力を向上することは,これらのコンテンツに没入するための重要な要素となっている.従来の対話型コンテンツでは,CGキャラクタは台詞に対応付けられた振る舞いを行っており,同じ台詞に対して同じ動きを繰り返すといった動きの単調さが見られた.そのため内面に存在するはずの心理状態を感じられない無機質な印象を利用者に与えてしまうという問題がある.そこで本研究では会話内容を補足するジェスチャに加えて,心理状態を表現する姿勢やしぐさを動的に複合することで心理状態を表現した振る舞いを生成する.この技術によって表現豊かな振る舞いを生成した結果を心理コミュニケーションゲームという対話型コンテンツ上で示す.
著者
藤澤隆史 NormanD Cook 長田典子 片寄晴弘
雑誌
情報処理学会研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.39(2006-EC-004), pp.9-14, 2006-05-03

和音/和声(chord/harmony)は,メロディ(melody),リズム(rhythm)とともに音楽を形作る重要な要素である.音楽の物理的な音響的特徴とその心理的な印象や感性との関連性について定量的に評価するために,本研究では和音性についての評価モデルを構築した.和音性は,(1)協和度(心地よい-わるい,澄んだ-濁った),(2)緊張度(緊張した-落ちついた),さらに長調か短調かといった性質を決定する(3)モダリティ(明るい-暗い,うれしい-悲しい)から構成される.本研究において提案されたモデルと,これまで経験的に知られている様々な和音タイプおよび得られた実験データとの整合性を確認し,妥当性の検討を行なった.
著者
平井 重行 欅 文喜 藤井 元
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.24, pp.1-8, 2006-03-13
参考文献数
12

ユビキタス社会を実現する技術やシステム,またサービスの研究が盛んに行われている.我々は,家庭での日常生活で利用するサービスやシステムについて,浴室を対象にQOL向上へ向けた研究開発を行っている.情報家電を使用する環境という観点では,住宅内では特殊な空間と言える浴室であるが,我々は安全性を確保した上でセンサ類を設置し,生体情報や行動を計測して様々なアプリケーションの実現を試みてきた.また,そのエンタテインメント応用という位置付けで,入浴者の状況や行動をサウンドに変換し,浴室における普段の入浴行為に対して新たな楽しみ方を付加するシステムを試作してきた.本稿では,これまでに研究してきた2種類の浴室環境とそのエンタテインメント応用のシステムについて紹介し,日常生活をより楽しむインタラクティブなコンテンツの在り方について議論する.To increase Quality of Life, we have researched and developed several bath-systems and their services for an useful bathroom in daily life. However the bathroom is an unique space in terms of a place for appliances in a house, we try to equip several sensing devices in safety and measure bathing person's activities, motions and vital signs for various applications. As one of those applications, we developed entertainment systems that enhance the amenity space 'bath' by sounds controled by bathing person's state and activities. In this paper, two bath-systems for entertainment applications we developed are described, and also we discuss how we make and evaluate interactive content for entertainment in daily life.