- 著者
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中島 朋子
- 出版者
- 日本マネジメント学会
- 雑誌
- 日本経営教育学会全国研究大会研究報告集
- 巻号頁・発行日
- no.54, pp.21-24, 2006-10-27
JREIT(Japan Real Estate Investment Trusts)は2005年9月で市場創設から5年が経過した。2銘柄で開始した市場も現在では39銘柄が上場し、時価総額は2,600億円から4兆円へと急速な拡大を遂げている。市場の成長に伴い投資用途も多様化している。初期の銘柄はオフィスビルへの投資が多くみられたが、2005年以降、賃貸マンション、ホテル、工場など、オフィス以外の組成が増えており、銘柄の増加とともに用途の拡大がさらに加速すると予想される。このように市場が急成長し、多様化する中で、JREITのバリュエーションは重要性を増している。特に金融商品としてだけではなく、投資法人をコアとしたファンドの運用面からもその必要性は高まっている。JREITの収益の根源はポートフォリオから生ずる賃料キャッシュフローであり、ポートフォリオの収益力とその成長性がその価値として反映される。よってプロパティ・バリュー(property Value)、さらにこれを導く資産運用マネジメントを含めた総合的なバリュエーションが求められる。本報告では、JREITのバリュエーション・フレームワークを構築し、銘柄のパフォーマンスを考察する。さらにファンダメンタルズを考慮し、バリュエーションに影響を与えると思われる要因について検証する。