著者
高野 牧子
出版者
山梨県立大学
雑誌
山梨県立大学人間福祉学部紀要 (ISSN:18806775)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.65-72, 2006-03-15

イギリスでは従来から、幼児期の身体表現はクリエイティブ・ムーブメント(Creative Movement)として創造性重視の活動が行われ、舞踊教育の基盤となっている。そこでイギリスにおいて、主に2歳の幼児とその保護者を対象としたクリエイティブ・ムーブメントの親子教室3ヶ所を観察調査し、その特徴を明らかにした。その結果、1回の活動内容が豊富で、展開が早く、静動の緩急をっけ、子どもたちが飽きないように工夫されていた。活動最後には子どもたちを寝かしつけてクールダウンし、心拍数を下げ、心身ともに興奮状態を覚ましてから終結する配慮があり、子どもたちに対して大変有効であった。また伸縮性のある布やフープ、マラカス、ボール、パラバルーン、トンネルなど多様な教材を用いて、偏ることなく様々な運動能力の発達を促していた。さらに、子ども向けの童謡だけでなく、様々な音楽、特に民族音楽なども積極的に利用し、幼児期から音楽を通して異文化に触れ、理解しあえる工夫がされていた。活動は指導者も含め、参加者全員が円になって始め、時間と経験を共有しながら互いに学び合い、それぞれのアイディアで自由に遊び、表現する創造性重視の主体的活動が実践されていた。親子が指導者から一方的に習うだけではなく、参加者が相互に刺激しあい、親子で共に何かを創り出す双方向型講座は、今後の日本の親子講座に対して大変示唆に富むものである。

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こんな論文どうですか? イギリスにおける親子ムーブメント教室(高野 牧子),2006 http://t.co/Fq5m6YVeCv イギリスでは従来から、幼児期の身体表現はクリエイティブ・ムー…
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