著者
大津 雅之 高木 寛之 田中 謙 大津 雅之 高木 寛之 田中 謙 OTSU Masayuki TAKAGI Hiroyuk TANAKA Ken オオツ マサユキ Otsu Masayuki タカギ ヒロユキ Takagi Hiroyuki タナカ ケン Tanaka Ken
出版者
山梨県立大学
雑誌
山梨県立大学人間福祉学部紀要 (ISSN:21874344)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.113-124, 2017-03-16

今日、ソーシャルワーカーが対峙しなければならない社会的ニーズは、増加傾向にある。ただし、ソーシャルワーカーが対峙しなければならない社会的ニーズは、今日において顕著に発生してきたわけではなく、徐々に蓄積されてきた結果であり、これまでにも多くの専門職や地域住民によってさまざまな対応がなされてきた。近年、専門職連携の推進がはかられる中、ソーシャルワーカーは自身の役割を高めながら他の専門職や地域住民と共働することが求められている。ただし、そのためには、まず、ソーシャルワーカー自身が多くの専門職や地域住民がいかにしてソーシャルワークの機能的な一端を担ってきたのかについて歴史的側面もふまえながら学ばせていただき、その中で、自身の役割を高めながら介入し、各々と連携する必要があるであろう。よって、本研究では、ソーシャルワークの機能的な一端を担ってきた多くの専門職や地域住民の活動の実際を「ソーシャルワーク的支援」と位置付け、日本国内における「ソーシャルワーク的支援」について、歴史的側面から整理する必要性を提示した。そして、今日のソーシャルワーカーがそれらの取り組みおよびそれらの取り組みを担ってきた者に向けるべき視座について考察した。
著者
畑本 裕介 畑本 裕介 HATAMOTO Yusuke ハタモト ユウスケ Hatamoto Yusuke
出版者
山梨県立大学
雑誌
山梨県立大学人間福祉学部紀要 Bulletin of Faculty of Human and Social Services, Yamanashi Prefectural University (ISSN:21874344)
巻号頁・発行日
no.8, pp.13-24, 2013

この論文の目的は、地方都市・農村部の地域空間生産の現状を分析し、今後のあり方を構想するための論点整理を行うことである。地域空間は、資本主義的空間生産と地域再生戦略の二つの立場が対抗しつつ生産される。この論文では、両者の対抗関係を認識の前提としつつ、現在の空間生産のあり方を空間の「縮小戦略」と「維持戦略」に分類していく。縮小戦略では、スプロール現象への批判や商店街振興の問題点などを取り上げる。維持戦略では、自然環境や限界集落への対応や人びとの生活感覚にまつわる問題などを取り上げる。その後、今後空間生産を考える際の留意点として、①移動性を前提とすること、②地域という形而上学にとらわれないこと、③資本主義的空間生産と地域再生運動のバランスをとること、の三点を取り上げる。
著者
寺久保 光良
出版者
山梨県立大学
雑誌
山梨県立大学人間福祉学部紀要 (ISSN:18806775)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.21-30, 2006-03-15

本研究は、生活保護法およびその施行にあたる生活保護行政と、国民(要保護者)および利用者との間に乖離状況が生じていることに焦点を当て、乖離の状況、原因、理由、その克服の課題などを明らかにしようとするものである。本研究についての先行研究は、利用者の視点での裁判事例などに見ることはできるが、その他はほとんど無い。本論考では生活保護相談窓口職員が刺殺された事件を取り上げ、乖離状況の問題を探ろうとするものである。研究は緒についたばかりであり、資料などの少ない中での論考であるため試論と位置づけ、今後の研究への足がかりとする。
著者
安藤 淑子
出版者
山梨県立大学
雑誌
山梨国際研究 : 山梨県立大学国際政策学部紀要 (ISSN:18806767)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.51-60, 2011-03-05

There are a number of children enrolled in Brazilian schools that have been living in Japan for a considerable amount of time, yet cannot demonstrate sufficient proficiency in Japanese. Meanwhile, these students must have a certain level of Japanese proficiency in order to keep a wide variety of options open for the future. At the request of a Brazilian school, we implemented a Blended-Learning program that combined classroom lessons in the Brazilian school with e-learning courses offered by the university. Three eighth-year students from the Brazilian school who had only a beginning level of Japanese proficiency participated. The e-learning was in two forms, a school study and an interactive study. The interactive learning focused on practical Japanese usage and related vocabulary to complement the grammar and sentence structure focus of classroom instruction. In addition, the interactive learning utilized small study groups divided by level of proficiency, in contrast to the combined-level group structure of the classroom. The study made use of a toll-free IP telephone and web camera, and looked at problems and instructional methods particular to distance learning.
著者
大津 雅之 田中 謙 高木 寛之 中川 陽子 大津 雅之 田中 謙 高木 寛之 中川 陽子 OTSU Masayuki TANAKA Ken TAKAGI Hiroyuki NAKAGAWA Yoko オオツ マサユキ Otsu Masayuki タナカ ケン Tanaka Ken タカギ ヒロユキ Takagi Hiroyuki ナカガワ ヨウコ Nakagawa Yoko
出版者
山梨県立大学
雑誌
山梨県立大学人間福祉学部紀要 (ISSN:21874344)
巻号頁・発行日
no.16, pp.22-28, 2021-03-20

今日の社会福祉では、地域における多様な福祉課題に対応した社会資源開発の展開が望まれている。その際、「共生(社会)」の実現が求められる中で、①地域の特性等に応じた多様性の保障と、②地域福祉の担い手としての当事者・当事者組織の参画による当事者性の保障の両立が必要不可欠となる。このような多様性と当事者性の両立は、主に2000(平成12)年以降の社会福祉基礎構造改革前後を転換点として強調された特徴とされる。しかし、それ以前から両者の保障に取組んできた地域創発の社会資源開発手法を実践から確認できる。そこで本研究は戦後日本の社会福祉史における地域創発の社会資源開発手法のメカニズムを学説史の視座から解明し、地域福祉における社会資源開発のあり方を歴史的に問うことを研究課題とする。その上で今日の社会資源開発政策、事業の改善に資する実践的知見を示すことにより、今後の社会開発資源のあり方に関する知見を得ることを目的とした。その結果、先行研究の整理・検討を経て、学説では社会資源に関する一定の議論の蓄積が確認された。しかしながら、実際の地域における社会資源に関連する先行研究では、地域特性を反映したと推測される社会資源開発等の動きが確認でき、それらの事例研究に関するさらなる研究の進展が必要であると考えられた。そのため、今後実際の各地方・地域における社会資源開発の歴史を、実証的に明らかにする作業を行い、学説との関連性を検証する作業が必要であることが示唆されたといえる。
著者
牛田 貴子 藤巻 尚美 流石 ゆり子
出版者
山梨県立大学
雑誌
山梨県立大学看護学部紀要 (ISSN:18806783)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.1-12, 2007-03-01
被引用文献数
1

本研究の目的は、終の棲家として指定介護老人福祉施設で暮らす後期高齢者が、日常的に表現する「お迎えを待つ」とは何かを探ることである。75才以上の高齢者で研究の同意が得られた13名に、面接を実施した。逐語録から死を示す言葉を中心にしたまとまり部分45カ所を選び出し、意味上の要約と関連により質的に分析した。これにより、「お迎えを待つという日常の心境」「お迎えを待つ心境に至る基盤」「家族に期待する」「自分を大切にする」「人を気遣う」「自尊心の喪失」「生活史の一部に位置づけなおす」7つの中グループを抽出し、施設で最期を迎える意思決定をした後期高齢者の「お迎えを待つ」というストーリーラインを描いた。現状をどのように意味づけて生活していくのかという点が、お迎えの待ち方に影響を及ぼすことが示唆された。
著者
戸田 徹子
出版者
山梨県立大学
雑誌
山梨国際研究 : 山梨県立大学国際政策学部紀要 (ISSN:18806767)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.35-47, 2007-03-02

Margaret Ballagh came to Japan in 1861 with her husband James Ballagh, missionary of the Dutch Reformed Church of the United States. She published a book named Glimpses of Old Japan 1861-1866 in 1908. This book is a collection of the letters which she sent to her close friends at home during her first stay in Japan. They show her fresh and genuine response to Japanese people and society. Encountering the turmoil of the last days of the Tokugawa Shogunate, Margaret also gave her own analysis of politics and international relations. This paper surveys the contents of Glimpses of Old Japan 1861-1866 and points out the distinct features of Margaret's observation about old Japan.
著者
高木 寛之 大津 雅之 田中 謙 高木 寛之 大津 雅之 田中 謙 TAKAGI Hiroyuki OTSU Masayuki TANAKA Ken タカギ ヒロユキ Takagi Hiroyuki オオツ マサユキ Otsu Masayuki タナカ ケン Tanaka Ken
出版者
山梨県立大学
雑誌
山梨県立大学人間福祉学部紀要 (ISSN:21874344)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.125-137, 2017-03-16

本研究では、ソーシャルワーク実践現場として地域包括支援センターで活躍する社会福祉士と保健師に着目し、養成過程における地域アセスメントの視点の相違について明らかにし、今後の専門職養成への示唆を得ることを目的とした。その結果、地域アセスメントについて、両専門職養成課程において、語られる文脈に違いはあるものの、その項目については共通項を見出すことができ、地域の人々の状況や取り巻く地域資源だけでなく、文化やシステムの状況といった理解の必要性も重視していることがわかった。一方で、社会福祉士養成過程は、地域アセスメン項目やポイントを羅列するだけに留まり、保健師(看護師)養成過程では、地域をコアとサブシステムという構造的に把握し、データの例示と視点と判断・解釈の例示というそれらをより具体的に理解するための思考の枠組みと方向性を示している点に大きな違いがあった。
著者
愛甲 雄一 愛甲 雄一 AIKO Yuichi アイコウ ユウイチ Aiko Yuichi
出版者
山梨県立大学
雑誌
山梨国際研究 山梨県立大学国際政策学部紀要 = Yamanashi glocal studies : bulletin of Faculty of Glocal Policy Management and Communications (ISSN:21874336)
巻号頁・発行日
no.12, pp.1-14, 2017

The issue of anti-intellectualism has been widely discussed in Japan for the last few years, but only a cursory glance has been given to Richard Hofstadter in this debate. This relative neglect is regrettable not just because this American historian is the author of Anti-Intellectualism in American Life(1963)but also because his intellectual life itself was a struggle against what he called anti-intellectualism in America. The purpose of this paper is to fill this gap; it also aims to induce Japanese intellectuals to discuss further about their own roles in the future of the Japanese society. This paper focuses on Hofstadter's scholarly life in mid-twentieth century America. His intellectual career had been guided by his strong sense of duty as an intellectual, which he acquired when he was still a junior scholar. In Hofstadter's belief the duty of intellectuals lies in resisting any social, political, and cultural forcethat coerces conformism, and also in defending the plurality of society. Anti-Intellectualism is surely his most important contribution in this regard, but this sense of mission also underlies in his other works.
著者
二戸 麻砂彦 二戸 麻砂彦 NITO Masahiko ニト マサヒコ Nito Masahiko
出版者
山梨県立大学
雑誌
山梨国際研究 : 山梨県立大学国際政策学部紀要 (ISSN:21874336)
巻号頁・発行日
no.14, pp.61-74, 2019-03-05

Dictionaries in Ancient Japanese have been inflected by Chinese Dictionaries. These are divided into three classes, Bushu(部首:parts of Kanji), Igi(意義:meanings of Kanji)and Jion(字音:readings of Kanji)from the point of view about there search systems. These systems were not fit for Japanese Language. And so, Dictionaries by the use of Iroha(イロハ)search system were composed in late Heian period. "Iroha-jiruisyō" is one of them. This study analyzes the tone 'Toku-syō'(徳声)in "Iroha-jiruisyō".
著者
大西 康雄 大西 康雄 OHNISHI Yasuo オオニシ ヤスオ Onishi Yasuo
出版者
山梨県立大学
雑誌
山梨国際研究 山梨県立大学国際政策学部紀要 = Yamanashi glocal studies : bulletin of Faculty of Glocal Policy Management and Communications (ISSN:21874336)
巻号頁・発行日
no.9, pp.11-24, 2014

McLuhan's "Understanding Media" is well known for its difficulty in understanding. Especially his concept of "hot / cool" medium is central symbol of difficulty and ambiguity of the book. In this article, I try to restructure the concept for better understanding and application of McLuhan's thought. I try to decompose the concept to three conceptual dimensions. Its first dimension is the dimension of social context: openness of interpretation. Its second dimension is the dimension of medium format: displacement easiness of medium. Its third dimension is the dimension of synaesthesia. On the third dimension, I propose that we should treat it as completely different dimension from "hot / cool" concept.
著者
高野 美千代
出版者
山梨県立大学
雑誌
山梨国際研究 : 山梨県立大学国際政策学部紀要 (ISSN:18806767)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.90-99, 2012-03-05

Sir William Dugdale was an antiquary who devoted himself to the recreation of the past in his writings.He was the author of renowned antiquairian studies such as Monasticon Anglicanum, The Antiquities of Warwickshire, and The History of St. Paul's Cathedral in London, which were published in the 1650s. His exceptional diligence allowed him to complete all these learned works, but of course it was not at all possible without the aid of other people who supported him by providing documents, introducing people, or evenpartially bearing the expense of publishing his books. This study aims to examine the relationships between Dugdale and those who supported him, especially in terms of the publication of St. Paul's. By so doing we hope to cast light on the social milieu of antiquarian studies in the Commonwealth of England of the 1650s.
著者
高野 美千代 パリー グレアム サウスコム ジョージ ワイルドガスト パトリック
出版者
山梨県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究では、書物史の観点から17世紀英文学にアプローチする研究方法を取った。日本国内では今後さらに踏み込まれるべき領域であるため、先駆的な研究となることを意図して海外の研究者の協力を得ながら17世紀イギリス書物と社会の関係について考察を進めることができた。具体的には17世紀後半のイギリスにおける出版事情を研究するためにロンドン書籍商の出版物を分析し、さらには学術書・歴史書等の出版を促進することとなった予約出版制度を多角的に考察した。そのほか、パラテクストとしての挿絵の効果について、17世紀に出版された好古学書を中心に検証した。また、17世紀英国の書物の受容に関して調査を進めるため、ケンブリッジ大学ピープスライブラリーおよびダラム大学カズンライブラリーにおける現地調査を行ない、新たな研究の可能性を確信するに至った。
著者
萩原 孝恵 萩原 孝恵 HAGIWARA Takae ハギワラ タカエ Hagiwara Takae
出版者
山梨県立大学
雑誌
山梨国際研究 山梨県立大学国際政策学部紀要 = Yamanashi glocal studies : bulletin of Faculty of Glocal Policy Management and Communications (ISSN:21874336)
巻号頁・発行日
no.10, pp.77-84, 2015

This study aims to investigate the working experience of a Thai employee in Japan. The interview was conducted after the interviewee's third-month working. Data are analyzed by the text mining. This paper focuses on two frequent words, shigoto (working) and dekiru (can), which have been extracted according to a part-of-speech. After presenting the collocation network of shigoto by the KH Coder, I point out the differences of work content values and work process values. I then examine the use distribution of dekiru (can) and dekinai (cannot). The result shows that the number of dekiru used in the utterances was fewer than that of dekinai; it reveals the presence of informant's consciousness regarding the ability possession.
著者
神山 裕美
出版者
山梨県立大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

チルドレンセンターは、地域における子どもと家族支援のサービスハブであり、多機関連携の拠点ともなっていた。チルドレンセンターは直接支援としてマイクロ・メゾシステムに働きかけるとともに、エクソシステムとして地方自治体の支援システムに組み込まれていた。これらは実践結果に基づき地方・中央政府による継続的な評価により法律や制度の改善につながるマクロレベルへの循環が見られた。多機関連携によるコミュニティソーシャルワークが機能するには、地域基盤のジェネリックソーシャルワークが向上し、地方自治体レベルでの支援システムとが、車の両輪のようにうまくかみ合って機能することで、より効果的な支援につながると考える。
著者
萩原 孝恵
出版者
山梨県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

「舌打ち」や「笑い」は通言語的であるにもかかわらず、そこには社会的・文化的・慣習的な用法が存在する。本研究は、定延(2005)のいう「口の中の文化」に焦点を当てる研究である。本研究が着目するのは、非言語行動としてタブー視される「舌打ち」と、特におかしくもないところで笑う不可解な「笑い」である。研究対象は、“日本語文化と異なる”タイ人およびベトナム人の「舌打ち」と「笑い」である。定延(2005)を援用すると「口の中の異文化」が本研究課題となる。本研究は、誤解や摩擦の要因となり得る「舌打ち」や「笑い」に注目し、自文化の物差しでは測れない、他文化の非言語コミュニケーション行動を紐解いていく。
著者
平野 和彦 中村 聡 馬 燕
出版者
山梨県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

康有為は中国清末の思想家、政治家である。変法運動の中心的存在でとして影響を与えたが、1898年の戊戌政変(百日維新)の失敗後、康有為は中国を離れて日本経由で長い海外亡命生活を送ることになる。その前後の思索をまとめた『大同書』は後世の思想家に大きな影響を与えた。本研究で扱った康有為自筆資料は、特にその海外亡命時代と中華民国になって帰国後に書かれた詩文で、先行研究との間に、多く文字の異動が見られるものや、筆写した年代が異なる資料が散見され、比較研究によって康有為の足跡をより明瞭にする研究となった。
著者
伊藤 ゆかり 伊藤 ゆかり ITO Yukari イトウ ユカリ Ito Yukari
出版者
山梨県立大学
雑誌
山梨国際研究 山梨県立大学国際政策学部紀要 = Yamanashi glocal studies : bulletin of Faculty of Glocal Policy Management and Communications (ISSN:21874336)
巻号頁・発行日
no.15, pp.1-10, 2020

Venus is one of the history plays by Suzan-Lori Parks. Its protagonist is Saartjie Baartman; known as the Hottentot Venus, she was taken from South Africa to London and put on a freak show in 1810 to die in Paris in 1816. Her remains were displayed at a museum in Paris until 1976. She symbolizes the victimization of African women in the colonial period. However, Parks's play reveals the possibility of the Venus being an accomplice, and has evoked much controversy. Venus is the play of fragmentation. Parks fragments the story of The Venus into 31 scenes. With a play-within-play and historical information inserted, the audience cannot grasp the play as a whole. The figure of The Venus is fragmented into several ones, too, from a girl in Africa, a freak on the show, to the medical object. Because of the fragmentation, what the audience can see on the stage is a ghost in history. At the same time, the audience is also fragmented into the voyeur, the spectator, and the accomplice. At the end of the play, The Venus asks for a kiss, that is, affectionate physical contact which a ghost could not wish for.
著者
大村 梓 大村 梓 OMURA Azusa オオムラ アズサ Omura Azusa
出版者
山梨県立大学
雑誌
山梨国際研究 : 山梨県立大学国際政策学部紀要 (ISSN:21874336)
巻号頁・発行日
no.11, pp.1-10, 2016-03-05

The Meiji Restoration (1868) required Japanese to create a new kind of written language appropriate for describing modern Japan. Some novelists maintained a traditional style influenced by the Chinese classics,others actively learned new expressions from translations of Western literature. Horiguchi Daigaku was one of the most important of the translators through the Meiji, Taishô and Shôwa periods. He cultivated his passion for literature by composing traditional verse in the genre called Tanka and also Shintaishi (a new style of poetry), and further translated French poetry. Gekka no ichigun(Poets Under the Moon), a translation volume of 340 poems written by 66 French poets, was published in 1925 and it gave an excellent start to his career as a translator. Aside from poetry, he translated some French modernist novels, especially the fiction of Paul Morand. Most Japanese translations of Morand's novels were made by Horiguchi and Morand had been unknown before Horiguchi introduced him to Japanese literary society. Horiguchi repeatedly wrote of Morand as a modernist writer and argued his language was exotic and novel. This perspective undeniably influenced Japanese readers' views of Morand's works. This paper will focus on three issues in order to investigate how the reputation of Paul Morand was created in Japanese literary society of the 1920s and 1930s. First of all, evaluating Horiguchi Daigaku as a translator in respect of his influence on the reputation of Morand's works. Second, describing how Horiguchi's reading of Morand's novels guided readers' understanding of Morand's use of language and alsoof the author himself. Third, drawing a picture of how literary society in Japan at that time vitally needed something exotic that could satisfy their aspiration for western/ modern culture. I will demonstrate howMorand's Japanese translations were influenced by Horiguchi's reputation as a translator, his essays on Morand and contemporary Japanese literary trends.
著者
大津 雅之 高木 寛之 田中 謙 大津 雅之 高木 寛之 田中 謙 OTSU Masayuki TAKAGI Hiroyuk TANAKA Ken オオツ マサユキ Otsu Masayuki タカギ ヒロユキ Takagi Hiroyuki タナカ ケン Tanaka Ken
出版者
山梨県立大学
雑誌
山梨県立大学人間福祉学部紀要 Bulletin of Faculty of Human and Social Services, Yamanashi Prefectural University (ISSN:21874344)
巻号頁・発行日
no.12, pp.113-124, 2017

今日、ソーシャルワーカーが対峙しなければならない社会的ニーズは、増加傾向にある。ただし、ソーシャルワーカーが対峙しなければならない社会的ニーズは、今日において顕著に発生してきたわけではなく、徐々に蓄積されてきた結果であり、これまでにも多くの専門職や地域住民によってさまざまな対応がなされてきた。近年、専門職連携の推進がはかられる中、ソーシャルワーカーは自身の役割を高めながら他の専門職や地域住民と共働することが求められている。ただし、そのためには、まず、ソーシャルワーカー自身が多くの専門職や地域住民がいかにしてソーシャルワークの機能的な一端を担ってきたのかについて歴史的側面もふまえながら学ばせていただき、その中で、自身の役割を高めながら介入し、各々と連携する必要があるであろう。よって、本研究では、ソーシャルワークの機能的な一端を担ってきた多くの専門職や地域住民の活動の実際を「ソーシャルワーク的支援」と位置付け、日本国内における「ソーシャルワーク的支援」について、歴史的側面から整理する必要性を提示した。そして、今日のソーシャルワーカーがそれらの取り組みおよびそれらの取り組みを担ってきた者に向けるべき視座について考察した。