- 著者
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谷脇 徹
- 出版者
- 東京農工大学
- 雑誌
- フィールドサイエンス (ISSN:13473948)
- 巻号頁・発行日
- vol.5, pp.9-15, 2006-03-31
アカマツ丸太におけるクロタマムシ(以下クロタマ)および穿孔虫類4種の直径階別および樹皮厚別の脱出孔分布を調査した。脱出孔密度はマツノマダラカミキリ(以下マダラ)では細くて樹皮の薄い部分,ムナクポカミキリ(以下ムナクボ)およびオオゾウムシでは太くて樹皮の厚い部分,クロタマではこれらの中間的な部分で高かった。ウバタマムシの脱出孔密度が高かったのは,太くて中間的な樹皮厚の部分であった。丸太単木ごとにみるとクロタマとムナクボの脱出孔はほとんど混在しなかった。一方,クロタマとマダラの脱出孔には混在が認められ,幼虫期における生息域の重なりが推察された。タロタマの脱出孔分布は,基本的には親成虫の産卵様式に依存すると考えられるが,マダラとの脱出孔の最大混在密度が直線回帰されたことから,種間関係によってクロタマ本来の脱出孔の分布型が変化した可能性がある。