著者
大前 加陽子 福留 紘二 遠城 道雄
出版者
鹿児島大學農學部
雑誌
鹿児島大学農学部学術報告 (ISSN:04530845)
巻号頁・発行日
no.53, pp.1-14, 2003-03

温室メロンの夏期、秋期、春期栽培において牛糞堆肥の施用が生育、収量、品質と培養土の理化学的性質に及ぼす影響について検討した。1.牛糞堆肥の窒素無機化特性は化学肥料に比べ緩効的で、全窒素量の6割程度が栽培期間中に無機化され作物に利用される形態となることが明らかになった。2.栽培土壌中の無機態窒素量、茎葉生体重、葉面積は3作とも栽培期間中終始化学区が堆肥区よりも大きかった。しかし、果実重については処理区間差は認められず、収量にも差がなかった。その理由として(1)堆肥の緩効的な肥効特性(2)堆肥施用による土壌物理性変化に伴った低く安定的な土壌水分含量(3)堆肥区の安定的なpHなどが考えられた。3.果実の品質については堆肥区のほうが糖度、ビタミンC含量が高く、品質の保存性が高い傾向がみられた。これらの原因は化学区に比べて、堆肥区の低窒素、低水分などに起因するものと推察された。

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