- 著者
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狩野 浩二
- 出版者
- 鹿児島大学
- 雑誌
- 鹿児島大学教育学部研究紀要. 教育科学編 (ISSN:09136606)
- 巻号頁・発行日
- vol.56, pp.137-163, 2005-03-25
斎藤喜博(1911-81)が学校づくりをすすめた群馬県島小学校(1952-63)では,運動会や学芸会など学校行事のすすめ方を"授業"と同様に発想し,展開していた。授業においては,教師と児童との接点に最大の関心を持ち,島小の教師たちは,児童の可能性をひらく教育実践にうちこんでいたが,同様にして,学校行事の運営にあたって,児童がのびのびと表現活動を展開するよう教材や指導上の工夫をすすめ,特に,児童の表現の事実から指導の展開を工夫していくということについて,舞台演劇の概念である"演出"ということばを使っていた。このことは,動的な教授・学習過程の内実を教師たちがとらえるために必要だったのであり,"みる"ということばとともに,島小独自の実践概念であった。