- 著者
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井上 充夫
- 出版者
- 日本建築学会
- 雑誌
- 日本建築学会論文報告集 (ISSN:03871185)
- 巻号頁・発行日
- vol.60, pp.581-584, 1958
飛鳥・奈良時代を中心とする古代の門に関する記載をみると、それらがしばしば、単なる通路空間として以外の用途に供せられていることを知る。たとえば宮殿の門が行事の際の天皇の座所となり、寺院・神社の門が礼拝の場所として用いられる等である。このような特殊性は、垣や廻廊で囲まれた内部の空間と、外部の空間とが質的に相異することからくるのであつて、これが両者の接触点をなす門に、特殊な機能を要求すると同時に、造形的にも後世の門とやや違つた特色を賦与したことを論ずる。