著者
高取 克彦 嶋田 智明
出版者
神戸大学
雑誌
神戸大学医学部保健学科紀要 (ISSN:13413430)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.31-40, 2005

本研究の目的はビデオ映像を手がかりとしたMental Practice(MP)が、脳卒中患者の非麻痺側上肢課題遂行能力と麻痺側上肢機能に与える影響を調査することである。対象は脳卒中患者40例とし、MP群とコントロール群に無作為に振り分けた。課題は「座位にて、接近してくる水の入ったコップをできるだけ遠くで取る事」とし、MP群には課題動作を三人称的および一人称的視点で撮影したビデオ映像を見せ、コントロール群には同時間の休息のみとした。また、麻痺側上肢機能への学習効果を検証するためにMP群の1例には上記介入を4週間実施した。非麻痺側機能評価は座位でのFunctional Reach距離(S-FRD)の変化、視覚的判断による課題遂行能力と実行との整合性とした。麻痺側上肢機能は簡易上肢機能検査(STEF)の合計点数とペグボード遂行時間の変化で評価した。結果として、S-FRD変化は介入法と時間経過(介入前後)の2要因に交互作用が認められた(F=7.69,p<0.01)。4週間の介入を行った症例では介入後、STEF合計点数およびペグボード遂行時間共に改善が認められた。

言及状況

はてなブックマーク (1 users, 1 posts)

収集済み URL リスト