著者
時枝 久子 福司山 エツ子 徳田 和子
出版者
九州女子大学・九州女子短期大学
雑誌
九州女子大学紀要. 自然科学編 (ISSN:0916216X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.11-30, 1998-09

若年単身女性の食生活の実態を把握することを目的として、女子大生の身体および生活状況や食に関する意識について、2地区(A、B地区)別による比較を行い次の結果を得た。(1)最近の身体状況では両地区全体で「体がだるい」「目覚めが悪い」「便秘」を多くの学生が挙げている。生活状況は、平日の睡眠時間は全体で6〜7時間の割合が高く、両地区とも睡眠は概ねとれている。起床時間は全体で7〜8時の割合が高いが、A地区に比べてB地区の方が起床時間が早い。ここ1年間の体重の変化は全体で「変わっていない」と回答した者が多い。また「運動習慣はない」割合がA地区で特に高い。(2)食習慣は、朝食の欠食は全体的に少なく、B地区が特に少ない。また、居住形態別では両地区とも寮生の欠食が少ない。食事摂食回数は「3回」が高い割合を示し、特にB地区の全体と寮生が高い。食事は美味しく食べている者が多く、食事に対する意識は両地区とも高く、A地区は健康とダイエットが配慮され、B地区は健康に対する配慮が強い。(3)食品摂取状況は、肉・魚類の摂取ではやや肉類が多い。特に両地区とも自炊生にその摂取の割合が高い。卵は全体では1日1個の摂取はないが、B地区の自宅生は摂取の割合がやや高い。大豆製品は全体では週に「1〜2回」の割合が高いが、B地区の自宅生に大豆製品の摂取が多い傾向にある。牛乳の摂取量は両地区とも少ない傾向にある。乳製品はヨーグルトが好まれるものの、摂取は隔日が多い。油物の摂取は全体で毎日「2〜3回」の割合が高い。野菜類は緑黄色野菜、淡色野菜とも普通にとっている。飲み物は清涼飲料水を「殆ど飲まない」割合が高く、茶類が飲まれている。A地区はウーロン茶が多く、B地区は緑茶が多く飲まれている。飲酒は全体では低いが、自炊生に時々飲む傾向が見られる。(4)昼食の状況は全体で外食と手作り弁当がほぼ半々であるが、両地区とも寮生に外食の割合が高い。昼食の主食は両地区の自宅生と自炊生に米食が多く、寮生にパン食が多い。昼食の予算は全体で「300〜400円」の割合が高かった。(5)日常食の料理の嗜好は肉類を素材とした料理が好まれ、野菜が中心で特に香味野菜を使用した料理を好まない傾向にある。

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