著者
楠原 慶子
出版者
東京女子大学
雑誌
東京女子大学紀要論集 (ISSN:04934350)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.p101-113, 1991-09

東京女子大学ホッケー部員14名を対象に,ホッケーの動作特性についてストッピング,ヒッティング動作により検討を行った。その結果,以下のことが明らかとなった。1)本実験では動作の所要時間に関しては,中級・初級未熟練者間に有意な差はなかったが経験年数の増加により所要時間は短縮する傾向を示した。2)中級熟練者の方が未熟練者よりも動作の再現性において優れていた。3)一回動作の所要時間の短縮は,準備動作におけるボール扱い,すなわち調整力の向上と,振り上げ動作におけるコンパクトな腕の動きによって可能であることが示唆された。本実験ではホッケーの動作特性について,ホッケーの基本的技術であるストッピング,ヒッティング動作により検討を行なった。ゲームとは違った状況での実験ではあったが,経験年数による動作の相違を検討したことによりホッケーの打動作の特性が示されたと思われる。また動作特性の検討により,ホッケーが独自の運動様式を持っている競技であることも示された。今後は,被検者数を増し統計的検討を行うとともに,ヒットの動作特性と成功率の関係,また,身体の移動軌跡,重心の移動速度等からのアプローチをはかりホッケーの動作特性についてさらに考察を重ねて行く必要があると思われる。

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