著者
山岸 敦 加藤 一夫 中垣 晴男
出版者
有限責任中間法人日本口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.13-21, 2007-01-30
被引用文献数
6

フッ化ナトリウム(NaF)とモノフルオロリン酸ナトリウム(MFP)は,ともに歯磨剤に配合されるう蝕予防の有効成分として最も広く用いられている.本研究の目的は,日常のセルフケアにおいてフッ化物配合歯磨剤の使用を考慮し設定した条件下で,エナメル質耐酸性に及ぼすNaFとMFPの作用の違いを明らかにすることであった.950ppmFに調整したNaFまたはMFPの水溶液で1日2回3分間,エナメル質を処理し,それ以外はpH4.5の脱灰液に浸漬した.この操作を22日間行った後,試料のミネラル量の変化(ΔZおよびLd)をX線マイクロラジオグラフ(XMR)により定量した.その結果,NaF処理群は,MFP処理群より有意に高い耐酸性を示した(ΔZ: NaF<MFP, Ld: NaF<MFP). 22日間のフッ化物処理による耐酸性層の構造を明らかにするため,pH4.0の脱灰液で6日間処理したところ,NaFとMFPのXMR像には大きな違いがあった.NaF処理群は,表面付近に限定して耐酸性を示す100μm程度の層が得られた.一方,MFP処理群は表層付近の耐酸性がNaFに比べ劣るものの,経時的にエナメル質内部に深くまで浸透し,300μm程度の耐酸性を形成した.したがって,今回の条件における耐酸性付与に関するNaFとMFPの作用は互いに対照的であり,その特性に合わせた応用が望まれる.

言及状況

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こんにちは 歯磨きの成分としてどう違うのかが気になるのでしょうか? http://www.sky.sannet.ne.jp/yamaguchi-dc/pamph/pa-fussodeyobou.htm 歯を強くする効果が強いのはフッ化ナトリウムらしいですよ↑ ただしフルオロリン酸ナトリウムは、 フッ化ナトリウムより内部まで効果がある という研究結果があります。↓ ...
サンスターの「プロクト・サンスター」が安くて良いと思います。 フッ化ナトリウムが925ppm入っています。 歯科医師用専売品なので、特別な店か、歯医者さんでしか売っていないのです。 でも315円で安いので、お勧めです。 他の歯磨きの「フッ素入り」は「モノフルオロリン酸ナトリウム」が多いのですが、「フッ化ナトリウム」の方が良いようです。 口腔衛生学会雑誌 http://ci.nii. ...

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フッ素の詳細補足 「フッ化ナトリウム(NaF)」は、歯の成分であるカルシウムと結合し、50μm位の所で歯が溶かされないように働きます。「モノフルオルリン酸ナトリウム(MFP)」は、50~300μm位の所で働きます。 なお、これとは別の類以内容記載。 https://t.co/jyNajDgDl5

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