著者
田中 薫
出版者
宮崎公立大学
雑誌
宮崎公立大学人文学部紀要 (ISSN:13403613)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.111-125, 2006-03-20

「出版産業」は東京の一極集中であると言っても過言ではない。また、「出版は東京の地場産業である」という日本出版学会の会員もいる。したがって、東京から遠く離れた地である九州の各県で、主要都市を中心に出版活動を行っている出版社はきわめて少ない。そして印刷・製本という製作面でのハンディがあるほか、出来上がった出版物を、地方かから全国の書店に向けて発送するという流通問題に関しても、条件的には不利である。さらに出版活動を企業として成立させ、継続していくためには、慢性的な書き手不足の状態から脱し、確保し、さらに発掘し、養成していくことが不可欠であるという意味では、それらのこともまた大きなネックとなっている。そこで、まず九州7県の各県における出版状況の現状について把握することとし、沖縄の現在についても、視野に入れて見てみたい。そして、地方で出版活動を行うことに伴う問題点はどこにあるのかについても検討し、そのポイントをあぶりだしてみることとしたい。

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