携帯電話,デジタルカメラ,自動車等,我々の身近な電子製品において,組込みソフトウェアは製品の競争力を左右する重要な要素である.ところが,製品機能の増加に伴ってソフトウェアは大規模・複雑化しているにもかかわらず,一機種あたりの開発期間は大幅な短期化が求められている.この問題を解決するためには,組込みソフトウェアを機種間で共通化・再利用化することで,機種あたりの開発コストを低減することがきわめて重要である.本稿では,類似製品間でのソフトウェア共通化技術として産業界からも注目されているソフトウェア・プロダクトライン工学(SPLE:Software Product Line Engineering)の概要,最新の適用事例および研究トピックについて述べる.