著者
青柳 斉
出版者
新潟大学
雑誌
新潟大学農学部研究報告 (ISSN:03858634)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.64-70, 2007-03
被引用文献数
3

米の農協マーケティングの展開は、需要量に応じた生産目標数量配分方式の普及に加えて、外食産業の消費増や消費者の米需要の多様化によって促進されている。そのため、米の主産地では、業者の多様なニーズに即応できる集荷・販売方式や、多様な価格帯に対応した販売政策の導入がマーケティングの手法として重要になってきた。但し、農協マーケティングの展開形態は、産地の立地条件や直面している市場条件の特徴によって異なる。魚沼みなみ農協は、高級銘柄米産地における農協マーケティングの先進事例である。当農協は、専任の営業担当者を配置して、有機米等の独自販売を拡大している。そして、高級銘柄米としての品質保証のために、品質評価にもとづいて生産者に栽培改善を指導している。但し、品質評価に基づく区分集荷や生産者に対する報奨制度は導入していない。その理由は、当農協のマーケティング戦略が、高級銘柄米「魚沼コシヒカリ」を「主食」としてではなく、「特産物」として安定的な販路を拡大することにあるからである。

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