著者
宮城 和宏
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究技術計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.105-116, 2007-03-29
被引用文献数
1

台湾,韓国は同じ東アジアNIEsの一員として,かつての労働集約的な経済から資本集約的,そして近年は技術・知識集約的な経済へと目覚しい発展を遂げてきた。それにもかかわらず,両国の技術特化のパターンやイノベーションの実態について特許等を利用した分析は非常に限られている。また数少ない先行研究における分析期間は,NBERのデータ・ベースを用いているため1999年までに限定されており,それ以降の最近の変化をフォローしていない。本稿では,米国特許商標庁(USPTO)のデータを2003年まで延長,独自に集計した上で,近年の台湾,韓国における技術特化パターンの相違点あるいは類似点や技術イノベーションの実態についての比較分析を試みる。台湾,韓国のUSPTOにおける特許登録数は,それぞれ1980年の第21位,第37位から,2003年には第4位,第5位と大きく上昇しており,世界的な技術イノベーション大国へと成長した。一方,分析結果より,両者の技術特化や技術集中度に関するパターンは,双方の産業構造やイノベーション・システムの違いより必ずしも同じではないこと,両国における技術イノベーションの主体は大きく異なること等が明らかとなった。

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こんな論文どうですか? 技術特化パターンとイノベーションに関する実証研究 : 特許データを用いた台湾・韓国の比較分析,2007 http://ci.nii.ac.jp/naid/110006242305

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