著者
佐藤 龍子
出版者
同志社大学
雑誌
社会科学 (ISSN:04196759)
巻号頁・発行日
vol.78, pp.81-96, 2007

本稿では,高等教育政策の量的緩和の最たるものとして「期間を限った定員増」(臨時的定員)とその後の臨時的定員の5割恒常定員化を取り上げる。1992年をピークとした第2次ベビーブームの18歳は,205万人に達した.大学・短大の志願者は122万人にものぼった。当時の受験生にとっては,まさに地獄であったが,大学にとっては黙っていても受験生が集まる時代であり,1986年から1992年の7年間は「ゴールデンセブン」 (輝く7年間)であった。大学にとっては天国であり,「バブルの時代」でもあった。 当初の臨時的定員計画は44,000人であったが,最終的には112,443人になった。恒常的定員も当初計画は42,000人であったが,78,173人になった。その後,臨時的定員は5割恒常定員化されることになった。 「ゴールデンセブンの時代」と臨時的定員政策は,高等教育にどのような影響を及ぼしているのだろうか。大学大衆化の進展と関わりはどうなのか。今,改めて臨時的定員政策を振り返ってみたい。

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