著者
城間 祥子 茂呂 雄二
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.120-134, 2007-03-30
被引用文献数
1

本研究では,参加の過程を学習とみなす観点から,中学校の音楽の時間に実施された和楽器の専門家とのコラボレーション型授業(出前教室)において,どのような「参加過程の変化」が生じていたのかを分析した。フィールドワークと,授業のビデオデータの分析にもとついて,次の3つの側面から参加過程の変化を記述した。(1)課題:参加者は何を目指して共同で実践を行っているのか。(2)人的・物的リソースの配置:参加者はどのように共参加者と関わり道具を利用することができるのか。(3)責任:参加者は課題や人的・物的リソースの配置にどの程度関与しているのか。その結果,コラボレーション型授業では,様々な制約や参加者の状態・要望に応じて授業の構成や目標が柔軟に変化すること,人的・物的リソースをうまく組織化することによってコラボレーションが促されること,課題の決定や学習の管理の責任を生徒に委ねることで生徒の積極的な参加を引き出していることが,明らかになった。最後に,出前教室におけるコラボレーションの変化から示唆された,学校と外部の専門家のコラボレーションの意義と留意点について検討した。

言及状況

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RT @hari_nezumi : 城間・茂呂(2007)中学校における専門家とのコラボレーションによる和楽器授業の展開過程 : 「参加としての学習」の観点から(実践研究)  http://ci.nii.ac.jp/naid/110006249670

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