著者
春日 由美
出版者
九州大学
雑誌
九州大学心理学研究 (ISSN:13453904)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.157-171, 2000-03-10

本論文では,これまでの発達心理学・臨床心理学における研究や指摘などを振り返り,日本における父娘関係を考察するものである。主な内容は次のとおりである。(1)父娘関係は娘にとって2つの側面から重要であると考えられる。その1つは娘の人格形成の種々の側面への影響である。そしてもう1つは父親から娘への愛情面であり,それは娘にとって重要な心理的支えになると考えられる。(2)日本では父親も娘も,父親は娘にとって「やさしい」存在であると捉えている。またそのような日本における父親の「やさしさ」を,子ども達は「母親的やさしさ」であると感じている。けれども父親から娘への愛情は,母親から娘への愛情よりも距離を保った,「見守る眼」のようなものである。(3)娘の持つ父親イメージは,彼女達の両親の夫婦関係に影響を受ける部分がある。また家庭における父親が「大黒柱」としてイメージされることが,娘にとっての父親の魅力を高めていた。

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