- 著者
-
奥田 隆史
- 出版者
- 一般社団法人情報処理学会
- 雑誌
- 情報処理学会研究報告電子化知的財産・社会基盤(EIP) (ISSN:09196072)
- 巻号頁・発行日
- vol.2007, no.51, pp.11-16, 2007-05-25
- 参考文献数
- 40
迷惑メールや spam メールに対処するため、メール利用者は、アンチスパム・ソフトウェアを利用し、spam メールを自動的に検出・分類している。しかしながら、アンチスパム・ソフトウェアの検出・分類の設定条件によっては、spam メールでないメールまでが spam メールと誤認されてしまう。また、連続的な検出・分類処理により、配信途中で消失してしまうサイレントメールの存在も明らかになっている。本研究では、これまで筆者らが調査した spam メールの到着特性をもとにして、送信した電子メールが受信者に物理的に届かないというリスクあるいは物理的には届いているのであるが目にしてもらえないというリスクについて検討する。迷惑メールや spam メールが増加していることも一因で、メールがサイレントメールとして消失してしまったり、spam メールでないメールまでが spam メールと判断されたりすることがある。本研究では、送信した電子メールが受信者に物理的に届かない現象、あるいは物理的には届いているのであるが目にしてもらえないという現象に着目し、電子メールを利用することにより生ずるリスクについて検討する。Spam is an unwanted electronic mail often advertisements and commercial messages. The continuing increase in spam has resulted in rapid growth in the use of e-mail client software with spam filtering function. This type e-mail client software usually separates spam from genuine email messages and keeps spam mails out of inbox folder. However, the software often missed genuine messages to spam folder and made silent mails. In this paper, the author shows a model of e-mail arriving process and evaluates risk of using of e-mail system.