著者
平井 利明
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.103-106, 2007-05-25
被引用文献数
8

ダイズ害虫の天敵としてのニホンアマガエルの有用性を検討するため,ダイズ圃場で捕獲した個体の胃内容物分析を行った.ニホンアマガエル101個体の胃から収り出された1,545個体の餌動物を同定した結果,胃内容物は多様な節足動物から構成されていることが判明した.胃内容物中で優占していだのはアブラムシ類で,胃内容物総数の67.2%を占めていた.他には,ハムシ類やチョウ類幼虫などが多く含まれていた.これらの昆虫類を種レベルで正確に同定することは困難であったが,その多くは害虫種である可能性が高いと考えられた.このことから,ニホンアマガエルは様々な害虫種にとっての有力な天敵になっていると考えられた.ダイズ圃場でニホンアマガエルの個体数を増やして,害虫密度の抑制効果を高めるには,産卵後の成体や変態上陸後の幼体をダイズ圃場に誘引すべく,本種の繁殖場所となる水田に隣接させてダイズ圃場を配置すべきである.

言及状況

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こんな論文どうですか? ダイズ畑におけるニホンアマガエルの餌構成 : 広食性捕食者は害虫防除に役立つか?(平井 利明),2007 https://t.co/VlRZq8CKBE
ニホンアマガエルの胃の内容物にダイズの害虫らしいアブラムシ類、ハムシ類やチョウ類幼虫などが多く含まれていたとのこと。アマガエルがダイズ畑に来やすいように、水田と隣接させるべきと提案されている。 「ダイズ畑におけるニホンアマガエルの餌構成」 http://t.co/WtPgZnhp

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