著者
鬢櫛 久美子 種市 淳子
出版者
名古屋柳城短期大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:13427997)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.95-105, 2006-12-20

保育界では、現在のスタイルの紙芝居が成立した昭和初期から、紙芝居が保育に取り入れられていた。戦後は、紙芝居が学校教育から締め出されたことと対照的に、保育教材・教具として制度上に位置づけられ、現在に至っている。本論では、大道芸にはじまった紙芝居が、保育界に定着した背景に倉橋惣三の影響力があったと推測し、倉橋と「紙芝居」の関わりを検討した。その結果、倉橋が日本教育紙芝居協会の理事であった歴史的事実のほか、倉橋の紙芝居観3点が示された。1)倉橋は紙芝居に「少國民文化」が持つ普遍性をみていた。2)「軍事保護教育紙芝居懸賞募集」という形で戦争協力を行っていたが、そこで、子どもの内面表出手段としての紙芝居の有効性を評価していた。3)教具としての紙芝居の有効性を認め、学校教育に紙芝居を導入する上で、制度的位置づけの必要性を戦中から主張していた。また戦後、その実現に寄与していたことが確認された。

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こんな論文どうですか? 保育のなかの紙芝居 : 倉橋惣三と「紙芝居」の関わりを中心に(鬢櫛 久美子ほか),2006 http://id.CiNii.jp/atmmL

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