- 著者
-
副田 俊介
田中 哲朗
- 出版者
- 一般社団法人情報処理学会
- 雑誌
- 情報処理学会研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:09196072)
- 巻号頁・発行日
- vol.2003, no.79, pp.31-38, 2003-08-04
最中限は竹内郁雄によって提案された3人プレイヤのカードゲームである.本研究は最中限をプレイする強いプログラムを作ることを目的とする.最中限は提案されたばかりのゲームであるため,人間のプレイにおいても,有効な戦略は確立されていない.そこで,人間の知識を使わずに計算機を用いて最中限を分析することにより,有効な戦略を求めることを試みる.この目的のために,最中限をプレイするプログラムを自動対戦させる実験を行い,点数に注目して分析を行った.プログラムは途中まではランダムプレイ,最終ラウンドでは検索によって手を生成するものを用いた.このプログラムは最終ラウンドの検索では相手プレイヤがランダムプレイヤ,つまりどの手も等しい確率で選ぶプレイヤであると仮定して全幅検索を行っている.この実験の結果,最終ラウンドに入る時点で点数が最も高かったプレイヤのゲーム終了時の得点の期待値は -0.56,2番目のプレイヤは0.91,3番目のプレイヤは-0.54となり,最終ラウンドに入る時点で最も中間の位置にいるプレイヤが最も有利であるという経験則と,この条件の元では一致することが確かめられた.Saichugen is a three player card game introduced by Ikuo Takeuchi. As it is a fairly new game, no good playing strategies are well known yet for Saichugen. We have analyzed Saichugen endgames by using Saichugen playing programs. We have used programs that play randomly up to the middle of the game, and plays by searching in the last round of the game. The programs assumes that the opponents players play randomly when searching. We had this programs play each other for 1000 games and analyzed the results. For these playes. We were able to show that the player with the most middle points when entering the endgame tends to keep his place - win the game.