著者
中谷 多哉子 藤野 晃延
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.8, pp.2534-2550, 2007-08-15
被引用文献数
6

ビジネスとは,複数の人々が関与し,各々の人々が各自に与えられた責務を,自分たちの意思によって達成し,同時に,組織としての目的を達成する営みである.したがって,ビジネスシステムの要求分析では,システムの利用者だけでなく,正負の影響を受ける複数の人々の責務と,それへの影響を分析しなければならない.ビジネス領域を分析する目的は,システムへの要求の背景を明らかにして,要求が発せられた根拠を示すことにある.我々はビジネスシステムの要求を獲得するための手法として,RODAN を開発している.RODAN を適用する分析者は,ステークホルダが担うロールに着目し,個人へのインタビューから得られた要求の背景を明らかにすることができるようになる.本稿では,最初にRODAN を適用して得られる成果物のメタモデルを示し,金庫という身近な事例に適用した結果を用いて手法を評価する.この手法を適用した結果,要求の背景を明らかにすることによって,未定義の要求を発見できること,さらにミスユースケースを得るためのネガティブアクタを抽出できることを示すことができた.最後に,手法の実用性についても考察を行う.One of the purposes of analyzing a business domain is to reveal the background of customers requirements. The resulting artifact provides us the reason why the requirements arise and what the customers' problems are. We are developing RODAN as a requirements elicitation method for customer's business domain. When RODAN is applied to the business domain, analysts focuse on a personal view of their customers. The view is determined as a role that the stakeholder plays. This paper presents a metamodel of RODAN with a product perspective. It is build as a model of a common structure of "business domain" with stakeholders and their roles. RODAN is evaluated by applying an example. As a result of the application, undefined requirements can be extracted as well as anti-actors for misuse cases with the background of the requirements. We also discuss on the practical aspect of RODAN applications.

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こんな論文どうですか? ロールに着目したビジネス領域における要求獲得手法RODANの提案(中谷 多哉子ほか),2007 https://t.co/HiX66AWK2v
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こんな論文どうですか? ロールに着目したビジネス領域における要求獲得手法RODANの提案(中谷 多哉子ほか),2007 https://t.co/HiX66AWK2v
こんな論文どうですか? ロールに着目したビジネス領域における要求獲得手法RODANの提案(要求工学,<特集>ソフトウェア工学の理論と実践),2007 http://ci.nii.ac.jp/naid/110006386487

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