- 著者
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亘 明志
- 出版者
- 長崎ウエスレヤン大学
- 雑誌
- 長崎ウエスレヤン大学地域総合研究所研究紀要 (ISSN:13481150)
- 巻号頁・発行日
- vol.3, no.1, pp.21-31, 2005-03-31
「近代化」とは歴史的な概念であるとともに、特定の社会、とりわけ非欧米社会のアイデンティティを問う概念でもある。しかし、それを一次元的尺度とみなすことは危険である。「近代化」には、経済発展や産業化には還元できない要素があるからである。そうした「近代化」の多様性をとらえようとする流れのなかで、近年、「近代化」と視覚などの身体感覚や表象との関連を取り上げる論考が見られるようになった。そこで、本論文では、視覚や表象の近代化に関する議論を踏まえながら、従来からの近代化論のいくつかのタイプ-合理化モデル、主体化=従属化モデル、メディア・モデル-についても身体論的観点から見直し、相互の関連性を明らかにするよう試みた。