著者
松村 洋平 永田 均 絹巻 康史 山邑 陽一 酒井 甫
出版者
日本マネジメント学会
雑誌
日本経営教育学会全国研究大会研究報告集
巻号頁・発行日
no.55, pp.111-114, 2007-06-29

今日、ガバナンス問題、コンプライアンス問題、合併・買収問題など経営と法律がクロスオーバーする現象や事態が企業の周辺に頻繁に起こっている。従来、これらの問題について経営学の立場から、あるいは法学の立場からのみ、アプローチがなされてきた。実務界においても、経営法務や企業法務の出番は経営行動の事故処理・事後処理にあり、戦略的問題として、法学的見地からあらゆる事態を想定して先んじて手を打つ、といったように経営者の意思決定に法学的な要素を積極的に取り入れることは難しいかったように思える。また、研究や教育においても、経営学では法律の知識や経験を経営資源と考えることはせず、法学では意思決定の結果に対する事後処理となる紛争法務がクローズアップされる傾向にある。そして、なによりも経営学と法学には大きな溝がある。実務の世界で次から次へと発生する経営と法律がクロスオーバーする現象や事態について、経営学者と法学者が協力して、分析し、解釈し、理論構築にアプローチしていくことが求められるだろう。

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