著者
清川 清
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 : 日本知能情報ファジィ学会誌 : journal of Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.318-325, 2007-08-15
被引用文献数
2

バーチャルリアリティ(VR)における代表的な視覚提示装置としてヘッドマウントディスプレイ(HMD)と没入型投影(IPT)ディスプレイを取り上げ,それらの特徴を概説する.HMDは装着して持ち運べ,透過型にすれば実物体への重畳表示が可能であるなどの利点があり,VRだけでなく関連の深いウェアラブルコンピューティングや拡張現実感分野に最適である.ただし,人の視覚能力に匹敵するHMDの製作は極めて困難であり,視野角,解像度,重量,許容する光学歪み等に関するトレードオフを考慮する必要がある.一方IPTディスプレイは視野角や解像度の点で費用対効果に優れ,プロジェクタの低価格化等により急速に普及している.周壁面スクリーン・曲面スクリーンや前面投影・背面投影などを用途に合わせて選択するのが一般的であるが,近年は複雑な起伏や模様のある壁面に対し歪みや色ムラのない映像投影が可能になり,設置場所の制約が緩和されつつある.

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