著者
東山 薫
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.359-369, 2007-09-30

本研究では,Wellman & Liu (2004)の主張する多面的な"心の理論"の発達が,日本の子どもにおいても同じように見られるかを追試すると共に,誤答した子どもの説明を分析することによって,より詳細に日本の子どもにおける"心の理論"の発達を検討することにした。すなわち,誤信念課題において指摘されてきたような通過率の遅れがこの尺度でも見られるか否か,日本の子どもがWellmanらの結果と同じ順序で段階的に心の理解が進むか否か,誤答分析によって"心の理論"課題を誤る原因を明らかにすること,を目的とした。3〜6歳の子ども120名にWellmanらの多面的な"心の理論"課題を実施したところ,Wellmanらと同様に年齢と共に段1皆的な発達が見られたが,誤信念課題において従来指摘されてきたように,多面的な概念を含む"心の理論"課題においても,日本の子どもは通過率が低かった。誤答の説明を分析すると,4,5歳児の3割近くが信念課題をどのように考えたかうまく説明できない場合と,理解できていない場合とが含まれていると考えられた。最後に,Wellmanらの課題の可能性と今後の課題について論じた。

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@rei10830349 @R_Kakiuchi_0921 つまり「自他の区別」は精神的な方向性に起因するのではなく、知的能力の欠落に起因すると考えられています。 https://t.co/EzXZYGHZSD

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