著者
石原 昌家
出版者
沖縄国際大学
雑誌
沖縄国際大学社会文化研究 (ISSN:13426435)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.31-54, 2007-03-31

沖縄戦における住民の集団自決という用語に内在している問題の核心は、日本政府・皇軍(旧日本軍)の戦争責任が免責されるという点にある。すなわち、沖縄戦体験を記録したり、語ったりするとき、住民に集団自決という「援護法」の用語を用いた場合、単なる言葉の表現上の問題ではなく、その意味するところは、沖縄戦が「靖国思想」に立脚した「軍民一体の戦闘」だったという認識に立つことになるのである。つまり、「援護法」適用のための用語である集団自決と「強制集団死」(軍事的他殺)を明確に区別しないと、沖縄戦における住民被害の本質を見誤ることになる。

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集団自決だと自ら進んで死んで行った、と受け取られる為(遺族は日本政府からの補償を受けるために「集団自決」申請せざる得なかった面があったようです)、「強制集団死」と言う表現を使おうと言う動きが最近はありますね。 「援護法」によって捏造された「沖縄戦認識」 : https://t.co/QI217HmUrQ https://t.co/Ue5xNrZQp5
靖国と援護法 http://ci.nii.ac.jp/els/110006426648.pdf?id=ART0008434670&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1288091980&cp=

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