著者
芳賀 良一
出版者
帯広畜産大学
雑誌
帯広畜産大学学術研究報告. 第I部 (ISSN:0470925X)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.37-44, 1967-03-31

1.ヒグマの繁殖は4歳から隔年に1産するといわれてきたが,昭和23年以降の飼育繁殖成績では,ヒグマの初産年齢は3歳で可能であり,また性周期は1年で,連年出産することも可能であることが明白となった。このことは昭和21年以後の捕獲数がそれ以前の捕獲数よりも増大していることの要因の1つであろうと考えられる。2.ヒグマの分娩時期は,37例の調査から1月下旬が最も多く,1月中旬・2月上旬がこれに次ぎ,2月中旬・下旬にも出産例がみられた。3.1腹の産子数は1頭ないし3頭で平均は1.7頭である。また産子の性比は雄が50.6%であった。4.北海道のヒグマの生息数は,捕獲統計によれば大正12年から昭和17年まで20年間の年平均捕獲数は約293頭で,およそ1,200頭の生息数と推定される。また昭和21年から昭和40年まで20年間の年平均捕獲数は約493頭で,生息数は3,000頭と推定される。したがって昭和21年以降にヒグマの生息数が増大したことが明らかである。

言及状況

レファレンス協同データベース (1 libraries, 1 posts)

北海道における、明治から昭和中頃あたりまでの、ヒグマの狩猟数を知りたい。 基本的にはだんだんと減少していったものの、昭和初期あたりには比較的熊猟がさかんであったと考えている。それについての客観的なデータはあるか。 ●その質問の出典や情報源、調査済み事項など 『近代北海道とアイヌ民族』(山田伸一著 北海道大学出版会 2011)では、ある程度の客観的データを示しているが、「有害鳥獣獲殺手当」を基にし ...

Twitter (1 users, 1 posts, 0 favorites)

1 1 https://t.co/TSpytF2nPr https://t.co/2jMOBexFhu

収集済み URL リスト