著者
岡崎 正規 山根 一郎 佐藤 幸一 小林 裕志
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.219-225, 1983

青森県十和田湖の北東部の火山灰地帯の山間部において,草地基盤を造成した。切盛土工は,急傾斜の局部だけをえらび,盛土の縁端部には転圧工法を適用して崩壊防止策を講じた。その切土部,盛土部の両方に牧草を生育させねぼならない。まず盛土部において種々の方法によって牧草栽培の試験を行った。盛土部には,この地域の土壌の下層土で,しかも不良土であるアオバンとアカツチとがほぼ1:2の割合で混合されていたが,適切な施肥を行えば良好な牧草地を確立することができた。すなわち,10aあたりイタリアンライグラス,オーチャードグラスをそれぞれ2kg,ラジノクローバー1kgを用い,元肥には苦土石灰100〜150kg,P_2O_530kg,NとK_2Oを5kg施用したのち雨天日の多い晩夏8月中下旬に播種する。そして翌春早く,N,P_2O_5,K_2Oをそれぞれ5kgづつ追肥に用いればよいと思われる。

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