著者
平田 毅
出版者
佛教大学大学院
雑誌
仏教大学大学院紀要 (ISSN:13442422)
巻号頁・発行日
no.28, pp.191-204, 2000-03

この小論は,カルチュラル・スタディーズにおける文化概念について概観し,その可能性および問題点を批判的に検討しようとするものである。カルチュラル・スタディーズの潮流は,既存の学問(ディシプリン)の伝統的なあり方に対して異議申し立てをしているともいえる。これは,カルチュラル・スタディーズの〈文化〉の捉え方自体が,サブカルチャーや対抗文化へのコミットメントを通じて形成されてきたことに起因するといえる。このカルチュラル・スタディーズの文化概念をS.ホールの主張から「大文字の文化と小文字の文化」のせめぎ合う場としてとらえ,従来の社会学における文化理論の中にも位置付けて,その有効性を論じてみた。反ディシプリン文化の政治学「折衝」コード大文字の文化と小文字の文化

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