- 著者
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山口 洋
- 出版者
- 佛教大学
- 雑誌
- 社会学部論集 (ISSN:09189424)
- 巻号頁・発行日
- vol.36, pp.105-119, 2003-03-01
個人間の社会ネットワークデータは,(1)主に質問紙(調査票)を用いて当事者に報告を求める,(2)研究者や調査員が当事者の行動を観察する,(3)既存の文献資料や記録を利用する,といった方法で収集されてきた。最も広く用いられてきたのは(1)の報告データである。しかし海外での方法論的実証研究を概観すると,通常の報告データは,客観的(行動的)紐帯および弱い紐帯を把握する際に,様々な問題をはらんでいることが分かる。しかも,その種の紐帯は一定の理論的意義を持つ。したがって客観的紐帯および弱い紐帯を把握すべく,通常の報告データだけでなく観察・記録データを併用したり,特殊な調査方法を工夫したりすることが,方法論的課題となるだろう。