著者
西村 愛
出版者
東北文化学園大学
雑誌
保健福祉学研究 (ISSN:13484567)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.75-91, 2007

今、知的障害者福祉は大きな変動期にある。1970年代は、大規模入所施設であるコロニーを中心に、全国各地で知的障害者の入所施設が次々と増設されていった施設中心の福祉の時代であった。それから約35年以上経った現在、「重い障害があっても地域で暮らす」というノーマライゼーションの思想がようやく浸透しつつある。しかし、35年前と比較して、地域の基盤整備は整ったものの、親が抱く「親亡き後」の問題は厳然としてある。本稿では、日本全国に入所施設が次々と建設されていった時代から、現在の施設批判および地域生活移行に至るまでの35年間で、「何が変わったのか」「何が変わっていないのか」を明らかにした。そして、未だに家族のケアに依存している問題を指摘し、問題解決に向けて親子を分離して「どのように支援していくか」という視点が重要であると結論づけた。

言及状況

Twitter (1 users, 1 posts, 0 favorites)

収集済み URL リスト