著者
佐藤 真理子 松井 有子 小野 花織 西村 愛 高木 美希 光畑 由佳
出版者
人間‐生活環境系学会
雑誌
人間‐生活環境系シンポジウム報告集 第42回人間-生活環境系シンポジウム報告集 (ISSN:24348007)
巻号頁・発行日
pp.65-66, 2018 (Released:2021-04-23)
参考文献数
2

頭部被覆時の衣環境として,ムスリム女性の衣服,授乳ケープ,ベビーカーカバーに着目し,被験者実験 により,衣服内温湿度・CO2濃度・唾液アミラーゼ活性の計測を行った.ムスリム女性の衣服 4 種(ブルカ,ヒマ ール・ニカーブ,ヒジャブ・ヒジャブキャップ,ドゥパタ)の比較では,頭部近傍の湿度上昇が,ヒマール・ニ カーブで大,ドゥパタで小であり,唾液アミラーゼ活性値も同様の傾向であった.頭部近傍の湿度が快不快に影 響している可能性が示された.授乳ケープとベビーカーカバーでは,衣服内温湿度,CO2濃度共に,ケープ内,ベ ビーカー内で高い値を示し,特にレインカバー内の CO2濃度が顕かに高く,注意を要する実態が示された.
著者
東 佳澄 西村 愛美 木我 敬太 中川 隆生 永井 匡 岸 昌生 細井 美彦 安齋 政幸
出版者
近畿大学先端技術総合研究所
雑誌
Memoirs of Institute of Advanced Technology, Kinki University = 近畿大学先端技術総合研究所紀要 (ISSN:13468693)
巻号頁・発行日
no.16, pp.43-50, 2011-03-01

[要約] 本研究では、ICR系統マウスを用いた体外受精ならびに、初期胚の体外培養について検討した。体外受精では、常法により過剰排卵処置を施した成熟雌マウスより卵を回収し、前培養を行うことにより、受精能を獲得させた精子と共に培養し、受精させた。精子前培養培地および受精培地からウシ血清アルブミンを除き、L-カルニチンを添加した修正HTF培地を用いた。その結果、L-カルニチン添加濃度0mMでは48%(162/337)、1mM では12%(35/294)、2mM では0%(0/311)、5mM では0%(0/292)、10mM では0%(0/270)の受精率が得られた。続いて胚培養を行った結果、L-カルニチン添加濃度0mM では78%(127/162)、1mM では57%(20/35)であり、2mM、5mM、10mM では胚の発生には至らなかった。次に、高分子物質のPVA を0.1%添加した培地でも同様の実験を行い、L-カルニチン添加濃度0mM では25%(96/390)、0.1mM では25%(91/362)、0.5mM では30%(77/256)、1mMでは34%(117/347)の受精率が得られた。続いて胚培養を行った結果、L- カルニチン添加濃度0mMでは80%(76/95)、0.1mM では81%(74/91)、0.5mM では95%(70/74)、1mM では73%(85/117)が胚盤胞期胚へ発生した。これらの結果から、L- カルニチン高濃度における受精阻害を呈することが明らかとなった。また、L-カルニチンに高分子物質であるPVA を添加することで、ウシ血清アルブミンの代替物質になる可能性が示唆された。 [Abstract] The present study examined in vitro fertilization that used the ICR mouse and the in vitro culture of the early embryo. Newly ovulated eggs from mature mouse injected PMSG and hCG were inseminated in vitro with spermatozoa recovered from the cauda epididymidis of mature males. Preculture medium of sperm and fertilization medium added the L-carnitine without bovine serum albmin. Percentage of fertilization were 48%(162/337)at L-carnitine 0mM and 12%(35/294) at L-carnitine 1mM. Following the percentage of blastocyst were 78%(127/162) and 57%(20/35). Next, the same experiment was performed using the medium that added 0. 1% PVA of polymeric mass. Results of the fertilization rate were 24%(95/390) at L-carnitine 0mM and 25%(91/362) at L-carnitine 0.1mM and 30%(77/256)at L-carnitine 0.5mM and 34%(117/347) at L-carnitine 1mM. Following the rate of developed to blastocysts stage were 73-95%. When the high density L-carnitine from these results, it was shown not to retard of fertilization. Moreover, L-carnitine was indicated the possibility for a substitute of bovine serum albumin by adding PVA.
著者
西村 愛
出版者
青森県立保健大学研究推進・知的財産センター研究開発科雑誌編集専門部会
雑誌
青森県立保健大学雑誌 (ISSN:13493272)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.155-164, 2009-12

Half a century has passed since Act for the Welfare of Persons with intellectually disabled was established. In the background of this Act, there were concerns from the parents about their children with intellectually disabled after they passed away.In the beginning of 1990, their deinstitutionalization and lives as a part of the community were increasingly emphasized. However, more and more parents are killing their child or committing murder-suicide by anticipating their future lives. This means lives children with intellectually disabled after they lost their parents are not guaranteed yet. How do they feel like to have a child with intellectually disabled and what a life with their child would be?In this thesis, I interviewed parents whose children with intellectually disabled and found out the following issues from their responses; 1.Outside service is only a subsidiary of family nursing care. 2. there is no institutions that listen to and work on parent' s issues and concerns. To solve the issues, I let the following conclusions; 1.Outside service should not merely be a subsidiary, but it should also support their children with living in the community in peace after they lost their parents. 2.There should be a support system which listen to parent' s concerns and relief their stress, and provide future visions for their children.知的障害者福祉法(旧精神薄弱者福祉法)が制定されてから、約半世紀が経った。法律が制定された背景には、知的障害のある子の親亡き後の生活の不安があった。親亡き後も知的障害のある子どもたちが終生安心して暮らすことができるような入所施設が必要であること、その土台となる法律の制定を訴えたのである。その後、入所施設は親亡き後の場として、日本全国に増設されていった。1990年代に入った頃より脱施設や地域生活の重要性が強調されるようになった。しかしながら、親亡き後を悲観した親による子殺しや無理心中事件は後を絶たない。つまり、親亡き後は未だに問題として存在する。親たちはどのような想いを抱えながら、知的障害のある子どもたちと暮らしているのであろうか。本論文では、そのような疑問から知的障害のある子どもと暮らしている親たちにインタビューを行なった。親たちの語りから、1.外部のサービスが依然として家族介護の補完として捉えられていること、2.親たちの悩みを聞き、一緒に問題解決に向けて考えてくれる相談機関がないことが明らかになった。これらの結果を踏まえ、1.外部サービスを補完としてではなく、親亡き後も知的障害のある子どもたちが地域で暮らしていくという視点の転換が必要であること、2.親たちのストレスや悩みを聞きながら、親亡き後の生活の見通しがつけられるような支援の必要性を結論として導いた。
著者
西村 愛 瀬田 史彦
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.393-398, 2017

地球環境問題への対応として環境に配慮したまちづくりを進めることが重要となっており、多くの国で本課題に向けた取り組みが進められている。その中では、地球規模の環境課題と地域の社会課題との解決を同時に図っていく手法が求められる。本研究では、フランスにおける環境配慮街区認証制度であるエコカルティエラベル制度を取り上げ、認証制度とその実例からフランスの取組手法を分析する。フランスの制度では、自治体と事業者を対象として街区プロジェクトを認証するものであり、その評価においてはプロセスとコンセプトを重視し、地域政策の観点から取り組みをしていることに特徴がある。
著者
西村 愛
出版者
東北文化学園大学
雑誌
保健福祉学研究 = Journal of health and social services (ISSN:13484567)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.71-85, 2006-03-31

近年、知的障害者の自己決定の支援が重要であるという認識がなされている。本稿では、先行研究において、知的障害者にとって自己決定はどのようなものであると定義されているか、その支援方法はどのようなものかをレビューした。また、現場でどのように自己決定が解釈されているかという事例を2つ紹介した。先行研究や事例から明らかにされた問題点は、現在の自己決定支援が障害特性やその結果付随して起こりうる困難を考慮したものではないということである。そのため、援助者と知的障害者との間に権力関係が生み出される危険性があることを指摘した。本稿の結論として、権力関係を打開するためには、援助者が既存の概念を問い直し、自らの障害者観を問うていくことの重要性を示唆した。Recently, We have been recognized that the support of self-determination for the persons with mental retardation is important. This thesis discusses the following development. At first, I reviewed the current thesises of the definition and methods of self-determination for them and introduce the two case of the support. Then I pointed out that the current support is not considered the character of mental retardation. As a result, the power structure is caused between the supporter and persons with mental retardation. To prevent that cases, I suggested that the supporter have to been asked the concept of existing and a view of disabilities on his own.
著者
西村 愛子 浅井 元朗
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.52-59, 2012 (Released:2014-01-08)
参考文献数
14

農耕地における雑草の発生状況を定量化するためには,植生調査が有用である。既存の手法では効率性に乏しいため,雑草管理の現場ではより短時間で簡易的に行える手法が望ましい。本研究では,従来からある植生調査法を改良した簡易法を提案し,既存の目視法と比較することにより,調査精度と効率性,データの再現性について検討した。作物収穫後の圃場に不耕起刈取り区および耕起放任区を設け,簡易法と目視法による植生調査を行った。測定された被度や出現種の順位は手法間において高い相関を示し,種の検出力は低かった一方で,既存の植生調査法と比較して上位優占種について概ね同程度の調査精度を得ることができた。データの再現性指標として用いられる級内相関係数(ICC)を計算したところ,簡易法による調査結果は,39名の観測者間で高い再現性(ICC = 0.8)を示した。また,簡易法では,上位出現種の構造について,およそ1/5の所要時間で従来の手法と同程度の調査精度を得ることが可能であった。以上の結果から,簡易法による雑草発生量の定量化は,精度や再現性が高く,農耕地における雑草発生量の定量化に有効かつ効率的であることが示された。
著者
西村 愛
出版者
東北文化学園大学
雑誌
保健福祉学研究 (ISSN:13484567)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.99-111, 2008

近年、インクルージョンという理念が障害者福祉の分野に浸透しつつある。しかしながら、インクルージョンは具体的などのような実践によって、達成できるのかについて、研究および紹介されたものは少ない。本稿では、インクルージョン実現に向けた「ちょこさぽ」の実践を紹介することにより、知的障害のある人たちが地域で生きるとは何かを考察したものである。「ちょこさぽ」の実践を重ねていくうちに、学生と知的障害者の間に自然な関係ができていった過程を紹介した。知的障害のある本人が参加を希望していても、 「ちょこさぽ」への参加の可否は親に委ねられていることを問題点として指摘した。その課題を解決するためには、知的障害のある子どもの将来の生活について、どのような悩みをもっているかということについて、支援していくべきであると結論づけた。そのような親をサポートするネットワークをつくることは、知的障害のある人たちが親亡き後も地域で生活していくことにつながると思われる。
著者
西村 愛
出版者
東北文化学園大学
雑誌
保健福祉学研究 (ISSN:13484567)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.75-91, 2007

今、知的障害者福祉は大きな変動期にある。1970年代は、大規模入所施設であるコロニーを中心に、全国各地で知的障害者の入所施設が次々と増設されていった施設中心の福祉の時代であった。それから約35年以上経った現在、「重い障害があっても地域で暮らす」というノーマライゼーションの思想がようやく浸透しつつある。しかし、35年前と比較して、地域の基盤整備は整ったものの、親が抱く「親亡き後」の問題は厳然としてある。本稿では、日本全国に入所施設が次々と建設されていった時代から、現在の施設批判および地域生活移行に至るまでの35年間で、「何が変わったのか」「何が変わっていないのか」を明らかにした。そして、未だに家族のケアに依存している問題を指摘し、問題解決に向けて親子を分離して「どのように支援していくか」という視点が重要であると結論づけた。
著者
西村 愛美 大本 夏未 西山 有依 柳 美穂 三谷 匡 細井 美彦 入谷 明 安齋 政幸
出版者
近畿大学先端技術総合研究所
雑誌
近畿大学先端技術総合研究所紀要 (ISSN:13468693)
巻号頁・発行日
no.15, pp.27-35, 2010-03

本実験では成熟齢C57BL/6J マウスから得られた体外成熟卵子を作出し、レーザー穿孔処理法を用いて各出力条件下(200, 150, 120μsec.)で透明帯穿孔処理を行ない、その後の体外受精および発生能を検討した。C57BL/6J 卵巣より回収した未成熟卵子の体外成熟成績は、91%(1, 517/1, 674)であった。レーザー穿孔処理時間による受精成績は、それぞれ、60%(191/316), 54%(103/192), 45%(196/439)であり、対照区(28%:129/463)と比較し有意な差が認められた(P<0.05)。また一部を培養した結果、胚盤胞期への発生率は31%(32/102), 51%(74/144), 53%(40/75)であった。2細胞期胚を移植した結果、レーザー出力を低出力にした場合、産子の発生向上が確認された〔6%(5/81), 13%(10/83), 21%(12/56)〕。さらにレーザー照射による熱変性を避けるため、卵細胞質を収縮させた透明帯穿孔卵子における受精成績も同様に対照区と比較し有意に向上した(p<0.05)。以上の結果より、C57BL/6J 未成熟卵子の体外成熟およびレーザー穿孔処理の条件を調整することにより、産子への発生を改善することが示唆された。