著者
浅井 紀久夫 近藤 智嗣 小林 秀明 水木 玲 有田 寛之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.391, pp.63-68, 2007-12-08
被引用文献数
9

拡張現実感を利用した月面探索システムを開発し,国立科学博物館でのデモ展示を実施した.月は身近な天体であり,科学教育における格好の題材である.特にアポロ計画は話題性もあり,展示として魅力がある.博物館などではマルチメディアによる展示が増えてきたが,利用者がコンピュータの操作に熟達していることを前提とした内容にすることはできない.拡張現実感は,現実シーンに仮想物体を重畳表示する.そのため,物理的な板を触って仮想物体を操作するというタンジブル・インタラクションが可能であり,直感的なインタフェースを提供する.本システムではスティック・マーカを操作することにより,アポロ17号が探査した月面領域を探索する.本システムを評価するため,国立科学博物館でのデモ展示を実施し,一般来館者から主観評価を得た.その結果,楽しさや興味の点で満足度が高く,システムの安定性や内容の平易化が求められていることがわかった.

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