著者
有田 寛之
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
vol.31, pp.126-129, 2015-08

近年、博物館が所蔵する資料の三次元(3D)デジタルスキャンが行われ、調査研究の場面で3Dデジタルデータが活用される場面が増えている。本研究では、研究用に得た博物館資料の3Dデジタルデータを、博物館における展示や教育において、学習効果やデータの権利処理にも留意しながら活用する手法を開発することを目指す。
著者
近藤 智嗣 芝崎 順司 有田 寛之 真鍋 真 稲葉 利江子
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.45-48, 2006
被引用文献数
8

本研究の目的は,ミクストリアリティ(MR)技術を博物館の展示に応用し,1)MR型展示システムと 2)推定支援型展示手法を提案することであった.本研究では,国立科学博物館新館の恐竜コーナーを研究事例の対象としたシステムを開発した.このシステムは,MR型展示の機能として,生体復元された恐竜の3DCGを化石骨格標本に合成させて提示でき,また,そのコンテントは恐竜の解説だけでなく,推定支援型展示の機能として,重さや皮膚の模様などを推定しながら見学するという内容であった.評価調査の結果,3DCGの安定性については問題点が指摘されたが,これらの展示手法については高い評価が得られた.
著者
浅井 紀久夫 近藤 智嗣 小林 秀明 水木 玲 有田 寛之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.391, pp.63-68, 2007-12-08
被引用文献数
9

拡張現実感を利用した月面探索システムを開発し,国立科学博物館でのデモ展示を実施した.月は身近な天体であり,科学教育における格好の題材である.特にアポロ計画は話題性もあり,展示として魅力がある.博物館などではマルチメディアによる展示が増えてきたが,利用者がコンピュータの操作に熟達していることを前提とした内容にすることはできない.拡張現実感は,現実シーンに仮想物体を重畳表示する.そのため,物理的な板を触って仮想物体を操作するというタンジブル・インタラクションが可能であり,直感的なインタフェースを提供する.本システムではスティック・マーカを操作することにより,アポロ17号が探査した月面領域を探索する.本システムを評価するため,国立科学博物館でのデモ展示を実施し,一般来館者から主観評価を得た.その結果,楽しさや興味の点で満足度が高く,システムの安定性や内容の平易化が求められていることがわかった.