- 著者
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春日 淳一
- 出版者
- 関西大学
- 雑誌
- 關西大學經済論集 (ISSN:04497554)
- 巻号頁・発行日
- vol.56, no.4, pp.403-418, 2007-03
本稿はルーマンの後期の著作に登場する新概念のひとつ「イリテーション」をとりあげ、その意味を明確にしようとするこころみである。まず、ルーマン理論の解説書等に手がかりを求めたのち、イリテーション概念を主題にした原典のいくつかにあたってみた。この概念自体のまとまった理論的説明は見いだせなかったが、時代状況とかかわらせた「イリテーションと価値」と題する論文が含蓄に富んでいるので、その内容を中心に関連概念を含めて解説した。「イリテーション」もまた、ルーマンのシステム論的思考法の枠組みにしっかり位置づけて理解することが肝心である、というのが得られた教訓である。