- 著者
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片桐 新自
- 出版者
- 関西大学社会学部
- 雑誌
- 関西大学社会学部紀要 (ISSN:02876817)
- 巻号頁・発行日
- vol.38, no.3, pp.43-60, 2007-03
2005年に公開された映画『ALWAYS三丁目の夕日』は老若男女に支持され、その年の日本アカデミー賞をほとんど独占した。昭和33年を舞台にしたこの映画がヒットしたことで、「昭和ブーム」とも言えるほどの注目が、昭和30年代を中心とした時代に集まっている。しかし、実はこの昭和への注目はここ1~2年前から生まれたものではなく、昭和が終わり、平成に入った頃に生まれ、着実に浸透してきたものだ。本稿では、この「昭和ブーム」の実態を紹介し、その原因、そしてその行方まで探求する。原因としては、(1)昭和が終わったこと、(2)昭和が長かったこと、(3)バブル経済が崩壊したこと、(4)ベビーブーマーが過去を振り返る年代に入ったこと、が主たるものであるということを明らかにする。本稿は、平成17年度関西大学学術研究助成基金(焚励研究)(テーマ:歴史的環境の保存と活用をめぐる社会的相互作用の研究)を受けて行った研究成果の一部である。〕