- 著者
-
梁瀬 和男
- 出版者
- 愛知学泉大学
- 雑誌
- 愛知学泉大学コミュニティ政策学部紀要 (ISSN:13447939)
- 巻号頁・発行日
- vol.9, pp.101-116, 2006-12
平成14(2002)年2月,小泉純一郎首相(当時)は通常国会の施政方針演説の中で「知的財産立国」という国家戦略を宣言した。それを受けて,平成16(2004)年5月に公表された「知的財産推進計画2004」の中で,「地域ブランド」の保護制度のあり方についての検討が明記された。商標法が一部改正され,地域団体商標(地域ブランド)制度が平成18(2006)年4月1日に施行されるや,全国各地から地域団体商標が多数出願された。残念ながら地元での調整がつかず,同一又は類似の商標が複数の団体から出願されるなど,地域ブランドの争奪戦も始まっている。愛知県でも,「八丁味噌」や「名古屋コーチン」が複数の団体間で争われている。特許庁は出願後,約半年で査定の結果を発表する予定といっていたが,10月中旬現在,一切発表されていない。問題の核心に踏み込み,特許庁の査定結果を推測するとともに,トラブルの解決を目指して論述してみたい。