著者
坂田 充
出版者
学習院大学
雑誌
人文 (ISSN:18817920)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.293-330, 2007

本稿は、学習院大学が所蔵する高松松平家旧蔵書についての調査報告である。まず、学習院大学図書館所蔵図書のなかから、蔵書印などを手がかりにして34 部2, 905 冊を特定し、その目録を作成した。あわせて、関連機関の記録などをもとに、本来それらは最後の高松藩主松平頼聰から華族会館に寄贈されたものであり、後に華族会館が学習院を創立するのにともなって学習院に引き継がれた経緯を明らかにした。 その書籍は伝統的な和漢の典籍から成っており、とくに良質な漢籍を多く含んでいる点に大きな特徴があって、水戸学の影響を受けて盛んであった高松藩の学問と蔵書の状況を物語る貴重な資料と言うことができる。また、華族会館旧蔵書の一部という観点から考察することによって、明治初年に模索された華族教育の様相を解明する資料ともなり、同時に草創期における学習院の教育・蔵書の様相を物語る重要な書籍でもあることを指摘した。This paper is a report on the collection of books of the Takamatsu Clan(高松藩)in the library of Gakushuin University. The ownership stamps of those books and some documents show that those books were formerly owned by the Takamatsu Clan, and then gifted to Kazoku-Kaikan(華族会館)by Mr. Yoritoshi Matsudaira(松平頼聰), the feudal lord of the domain of Takamatsu. The number of the books amounts to two thousand nine hundred and five. Almost all of the books are classics of China and Japan. Some of the Chinese books especially are very precious. From the collection, we can get an understanding of the scholarship and education of the Takamatsu Clan in the Tokugawa period, as well as knowledge about the learning of Kazoku(華族), the aristocracy, in the period when modern Japan was emerging.

言及状況

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明治36年10月17日、松平頼聰が死去。幕末の高松藩主で、鳥羽・伏見の戦いで官位剥奪の「朝敵」処分を受けた。坂田充「学習院大学所蔵 高松松平家旧蔵書の概要とその伝来経緯」(『人文』6、2007年)は、頼聰の蔵書などが華族会館に寄贈された経緯などを分析。 https://t.co/weOh76intJ

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