- 著者
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"高見 千恵
忠津 佐和代
水子 学"
- 出版者
- 川崎医療福祉大学
- 雑誌
- 川崎医療福祉学会誌 (ISSN:09174605)
- 巻号頁・発行日
- vol.17, no.2, pp.343-351, 2008
"本研究の目的は,介護保険サービスにおけるアウトカム指標としてのサービス満足度の評価尺度を開発する前段階として,設問項目の内容の信頼性,妥当性を検討することである.研究方法は,質問紙調査であり,対象は高齢者支援センター18ヶ所に併設されている訪問看護ステーション,デイケアセンター,デイサービスセンター,ヘルパーステーションで介護保険サービスを利用している325人である.分析方法では,測定尺度としての構成概念妥当性を検証するため探索的因子分析と信頼性を確認するため信頼性分析(Cronbachのα係数を算出)を実施した.探索的因子分析の結果,サービス満足度は「ケアマネジャーの対応」,「サービスのアウトカム」,「サービス提供者への対応」,「サービスへの利用者ニード」,「サービスへの不満」の5因子で構成されていることが明らかとなった.また,信頼性分析の結果,各下位尺度のCronbachのα係数は「サービスへの不満」を除き,0.7以上であった.また,家族構成との関連性については,「ケアマネジャーの対応」と「サービス提供者への対応」に有意な差が認められ,「1人暮らし」は「2世代同居」「夫婦のみ」よりも低かった.以上より,介護保険制度におけるケアマネジメントによって提供されたサービスの満足度を評価する測定用具として許容できる信頼性,妥当性を持つことが示された."