著者
長谷川 誠紀 田中 文啓 岡田 守人 中野 孝司
出版者
日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.93-96, 2008-04-20
被引用文献数
5 4

背景.平成18年度文部科学省科学技術振興調整費「アスベスト関連疾患への総括的取り組み」の一環として,我が国における悪性胸膜中皮腫に対する集学的治療の現状を調査した.対象と方法.2002年1月〜2006年12月の5年間に悪性胸膜中皮腫に対して胸膜肺全摘術(EPP)を完遂した症例のみを対象とした.アンケートは本プロトコールへの参加表明施設とJCOG参加施設の計69施設に送付し,うち61施設から返答を得た.結果.対象5年間にEPPを完遂した症例は計171例,男性/女性154例/17例,右/左91例/80例,年齢14〜78歳,平均59歳.手術後30日以内の死亡は1例(間質性肺炎),在院死は6例(腫瘍再発4例.MRSA膿胸1例,肺梗塞1例).シスプラチンを含む術前化学療法を行った症例は38例,うち12例ではシスプラチンを含む術前化学療法と術後片側全胸郭照射を完遂した.術後生存期間の中央値は23ヶ月であった.結論.我が国の悪性胸腹中皮腫に対するEPPは症例数の増加と安全性の改善が確認された.しかし,集学的治療のfeasibilityに関しては現時点でなお十分なデータが存在しない.

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