著者
福島 邦彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.542, pp.457-462, 2008-03-05
被引用文献数
1

視覚パターンの一部がほかの物体で覆われて隠されていても,われわれ人間は,見えている箇所の輪郭をもとに,隠されている箇所の輪郭の形状を推測することができる.このようなアモーダル補完の能力を持つ神経回路モデルを提唱する.モデルは,ボトムアップとトップダウンの信号経路を持つ階層型多層神経回路である.特定の方位のエッジに選択的に反応するV1野の細胞や,輪郭の折れ曲がりの角度に選択的に反応するV2野の細胞などを持っている.モデルは,折れ曲がり抽出細胞の出力をもとに,隠されている輪郭の曲率と位置を予測し,輪郭を少しずつ外挿していく.種々の刺激パターンに対して,心理実験で観測されるようなアモーダル補完が行なわれることを計算機シミュレーションで示す.

言及状況

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