著者
志賀 利一
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.33-40, 1990
被引用文献数
4

我が国でも、発達障害児の治療・教育分野に応用行動分析の手法が用いられてから、既に20年が経過している。この間、多くの行動分析家は、学習理論をベースに様々な指導・評価手続きを開発したり、発達障害児の特異的な行動の解明に貢献してきた。一方米国では、社会的な変化に敏感な反応を示し、"応用行動分析は障害をもつ人の生活の質を向上させる一手段である"と割り切る、より実践的でノーマライゼーションの思潮を意図的に支持する研究者が増えてきている。例えば、彼らは般化と維持の問題は、指導により獲得したスキルを生徒のライフスタイルに組み込むことだと考えている。そして、これを実現するためには、"標的行動の教育的妥当性"、"自然な環境の詳細な分析"、"指導場面の論理性"、"アセスメント方法"などで、より一般化した方法論が必要だと主張している。私達も、障害をもつ人のライフスタイルの変容を期待される以上、この文化に合ったノーマライゼーション化の手段を検討する時期に来ている。

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応用行動分析のもう1つの流れ : 地域社会に根ざした教育方法 https://t.co/W75DcIczr4
【応用行動分析のもうひとつの流れー地域社会に根ざした教育方法ー】志賀利一先生の展望論文。http://t.co/g1NGHM0geO
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